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ゴルフの「定説」や「独学は難しい」は、本当だと思いますか?


まず、「独学が難しい」と言われる理由を説明したいと思います。

独学とは、「それに優れている人の指導や教授を仰ぐのではなく、独立で目標を立て、自分で学ぼうとする学習方法であり、能力開発の方法」です。

即ち、ゴルフの本を読む、Webのゴルフ情報を見て自分で学ぶことを指します。学んだことは練習場で実践し、100切りなどの目標を立てる感じです。

独学でスコアアップをできれば良いのですが、ゴルフに教科書はありません。

ゴルフの上手い人が、本やwebで独自の理論を書く、Youtubeで動画を配信すれば、それを見た人にはそれが教科書となり、その指示に従い練習を行います。

でも、その教科書が自分のフォームの改良に関するものか、フォームの抜本的見直しを要求するものなのかで、その効果や独学に必要な時間が変わってきます。

更にその教科書の内容が間違った指導をしていれば、独学により下手になってしまう可能性さえあります。

「個々の技術を磨きなさい。そうすれば独学で上手くなることは可能です」と教えているものもあります。

でもそれは当たり前の事。限られた練習時間で、「自分のフォームをどのように見直せば、どのような練習をすれば、短期間で効率よく結果が出せるか?」

それが独学の本質です。

独学を難しくしているWeb情報の具体的な例としては、以下のような内容があります

・フォームの形を真似れば上手くなる
・コックと金槌は同じ原理で飛距離アップ
・コック,ヒンジ,ヒンジコックでスイング安定
・シャンクはヒールに当たるのが原因
・「ノーコック」、「シャロースイング」のポイントをフォームで再現

上記のような曖昧な情報を真に受け、色々試しても上手くできない・・・何を信じれば良いか分からなくなってきます。それがゴルフの独学の難しさです。

では独学は本当に難しいのでしょうか?実は方法を変えればそうでもないのです。

具体的には以下の項で解説していきます。

①フォームの形を真似させる。その後の動かし方は?

②論理的説明が無い。何故コックと金槌は同じ原理?何故「定説」?

③言葉の定義の曖昧さ。コックとヒンジは違うでしょ?

④実験検証すれば容易に判ることなのに・・・「シャンクはヒールに当たるのが原因」の可能性は低い

⑤フォームの誇張が多い。実際の「ノーコック」、「シャロースイング」のフォームは違うでしょ?

⑥コーチが上手く打てるフォームをベースにする

⑦ネット配信による情報は一歩通行

⑧関節と筋肉の使い方で曖昧な点を無くしたデコピンの説明

⑨関節と筋肉の使い方で曖昧な点を無くせばゴルフの独学は可能

では上記項目を順に説明していきましょう。


①フォームの形を真似させる。その後の動かし方は?


今までネットを利用して色々なゴルフ情報、動画を見てきたのだが、技術者の私としては、その内容に違和感があった。

それは曖昧な説明が多い事。例えば「プロはコックを解くのが直前」について。これはプロの静止画や動画を見れば、そのような感じに見える。

でもそれを行うための説明が、「グリップエンドからダウンスイング」、「コックの角度を維持するように右足の前に」、「ヒンジ角を意識」、「右脇を閉めて」等・・・

ゴルフ1


<ゴルフのフォームだけ真似ても上手くならない>


これって、上記プロの写真の分解フォームを言葉で説明しているだけである。

重要なのはそこからなのに、「これができれば自然にヘッドスピードが速くなる」そうだ。

そんなことあり得ない。それができる人は上記のフォームでスイングして、力強いボールを打てる人である。その方法が分からなければ、このフォームだけ作っても意味がない。

それに何故か、それ以降のインパクトまでの具体的説明をしているネット情報が無い。

フォームの形を言葉で説明してもその動かし方が分からなければ意味が無い。

その動きを実際に行っているのは関節と筋肉。

一見、関節と筋肉で考えるのは難しそうだが、実は曖昧な部分が無く、自ら動作を確認できる唯一の方法である。

例えば、体が回転せず、体が硬く、バックスイング時に左肘を大きく曲げてしまう人。当たり損ないが多く、飛距離も出ない人がいる。

本当はプロのようなスイングがしたいけどできない。やり方も分からない人が上記の言葉では何も変えられない。

変えるには関節と筋肉をどの手順で動かすかの指導が重要である。

それを試してみたい方は、以下のURLをクリックしてみて下さい。

ゴルフ ボールに当たらない|科学的に理解すれば誰でも上手く当たる


ゴルフスイングの基本は?|体重移動・重心移動・腰の回転・捻転・手の返しをする?しない?


②論理的説明が無い。何故コックと金槌は同じ原理?何故「定説」?


他にもある。

このコックの説明で多いネット情報が、解釈の飛躍。その途中の具体的記述が殆どない。

特に多いのが「金槌(かなづち)」。「コックを使うのと、金槌で釘を打つ動作は同じ原理」とのこと。「定説」としている指導も多い。何が同じ原理なのだろう?

確かにコックを使えば金槌で釘を打つのには適している。でもそれはコックにより金槌の先端の速度が上がり、その方向に釘があるから。

でも、ゴルフの場合はインパクト位置でのコックを使う方向は、ボールを押し出す方向と90度違う。下右図を見れば一目瞭然。

ゴルフ1


<コックと「金槌を打つ」は物理的に作用方向が全く違う>


「コックはスイング中に開放するから上記考え方は違う!」と反論するコーチは多いと思うが、それならば、「具体的にスイング中にどうやって力を加える方向を90度変えるのか?」を明確にする必要があるはず。

「スイング中に勝手にそうなる」では何の説得力もない。ましてや「ダウンスイング時にコックをできるだけ維持する」とプロの打ち方を断定し、推奨する根拠にすらならない。

もしゴルフのコックのことをもう少し詳しく知りたい人は以下をクリック。

コックを正しく理解できると思う。


③言葉の定義の曖昧さ。コックとヒンジは違うでしょ?


説明が難しいと、「コック」と「ヒンジ」の差し替えをした情報もある。多くの意見では「ヒンジ」とは蝶番(ちょうちがい)のことを指し、ゴルフ用語では軸手ではない方の手首を甲側に曲げる動作。

「コック」は「銃の引き金を立てる」ことで、「ヒンジ」と直交する方向の動きで、軸手の手首を親指方向に、アドレス時の角度より大きく曲げる動作という説が有力。

「コック」の説明ができないからと言って、「ヒンジ」に置き換えて良いものではない。それらを合わせた「ヒンジコック」っていったい何?

「コック」はヘッドスピードを上げる役割。使わないプロもいる。それに対し「ヒンジ」は、プロのバックスイングに不可欠な動作。

軸手の左肘関節を伸ばし、左手首を背屈(甲側に曲げる)しないバックスイングには、右手の2つの関節を曲げる必要がある。

それが右肘関節の屈曲と右手首関節の背屈(ヒンジ)である。これに右腕の回外動作と左腕の回内動作、両肩甲骨の挙上と内転、外転が加わってバックスイングが行われる。

それぞれ全く別の役割がある。教える側が用語を間違えると、聞く側は何を信じれば良いのか判らない。

コックとヒンジの違いについても「ゴルフのコックを科学的に解明|原理は?リリースのタイミングは?」の最終章で簡単に説明している。


④実験検証すれば容易に判ることなのに・・・「シャンクはヒールに当たるのが原因」の可能性は低い


まだまだある。

それは「シャンク」の説明。「シャンク」の原因はヘッドの付け根(ホーゼル)、クラブのヒールに当たってしまうのが原因。それが「定説」となっている。

私も「シャンク」は何度も経験しており、それを改善する方法も色々ネットで調べて試した。ボールに近づく、離れる、突っ込まない、腕を引き付ける等。でも直らなかった。

しかし、不思議なことに、日を変えて練習すると「シャンク」が直っている。

「ヘッドの付け根(ホーゼル)、クラブのヒールに当たる」シャンクの「定説」を疑い、簡単に実験検証をしてみた。

ゴルフ1


<シャンクの原因はヒールに当たっているのではない>


アイアンのフェイス面を固定し、そのフェイス面の位置を変えてボールを当ててみる簡単なものである。

結果として、殆どのボールはフェイス面を乗り上げていく。この状態が正常なスイングの時である。

でも、数ミリの間はボールが90度のフェイス面に沿うような方向に向かう。多分これが「シャンク」と理解されているのだろう。物理的にはボールが当たったヒールの曲面の、接面と直交する法線を対称線とした方向に跳ね返っていると推測できる。

でもヒールに当たるボールの殆どは、鈍い音とともにゴロで前に跳ね返った。これは明らか「シャンク」とは球質も球筋も違う。

私が「頚椎症性筋萎縮症」で「シャンク」を連発する時は、力が入らずスイングが不安定な時である。その不安定なスイングで、数ミリの正確さが必要なスイングをして、「シャンク」を連続して発生させていたとはとても思えない。

明確な物理現象だから、確率と原理の両方で考えれば、シャンクは別の理由で発生していることになる。

私はシャンクの原因が分かっている。よって、シャンクを打とうと思えば100%再現できる。

もし、上記「定説」をシャンクとして疑わないのならば、練習場で打ってみてもらいたい。ホーゼルやネックにボールを当てて、シャンクを発生させるのがどれだけ難しいか、身をもって体験できるはずである。

私も実際にネックにボールを当てるべく、練習場で頑張った。30球程度打っていると、異音がして予想と異なる20~30度スライス方向にボールが飛んだ。でもボールはしっかり上がっており、いつものシャンクの弾道ではない。

これが上記数ミリの精度でネックに当たったシャンクで、ネックに当たり、横方向にボールが移動、そしてフェイス面に再びボールが当たり飛んだと推測できる。物理的にも計算できる結果である。

もっと厚くネックに当たると、ボールはライナーで前方向にランダムに飛んでいく。手に相当な衝撃がある。シャフトはフェイス面のようにロフトが無くボールを打つ設計でなく、シャフトとホーゼルが円柱なので当然だが。これもいつものシャンクの弾道ではない。

間違った情報を信じて練習していたのならば、「シャンク」が直らないはずである。

もしシャンクのことをもう少し詳しく知りたい人は以下をクリック。

更にシャンクの実態が分かると思う。


⑤フォームの誇張が多い。実際の「ノーコック」、「シャロースイング」のフォームは違うでしょ?



更に「ノーコック」の説明。「両肘関節を伸ばしたまま肩の回転」だけでダウンスイングしている状態を「ノーコック」の例として説明しているものが多い。

ゴルフ1


<ノーコックは手首や肘を伸ばすことではない>


「コック」とは、「左手の親指方向に左手関節を屈曲させる」こと。上左図のように「ダウンスイング時に両肘関節を伸ばした状態にする」こととは意味が違う。アームシャフト角とコックを混同している説明も目に付く。

少なくとも、「ノーコック」と言われるゴルフプロはこのような格好悪いダウンスイングをしていない。上右図のように「右肘関節の屈曲」と「右手関節の背屈(ヒンジという)」を行っている。アームシャフト角はキープしている。つじつまが合わない。

このように「コックすると、スイング中にどう活用されるのか?」が分からず、誇張した変な説明では、閲覧者のゴルフの理解度によっては誤解を招く。

誇張という意味では、「シャロースイング」の説明で、背中の後ろでシャフトを寝かせて説明しているものが多い。

しかし、「シャロースイング」を行っている一流の男子プロはそのような格好悪いフォームでは無い。実際のシャフトはそれ程寝かせない。グリップの位置も違う。

ゴルフ1


<シャロースイングはシャフトを寝かす事ではない>


悪いフォームの生徒をマンツーマンで教える時、悪いフォームを誇張して教えるのは良いと思う。但し、プロのフォームを誇張してネットで伝えるのは、それができない人には、そのフォームのイメージが頭に残るので、害にしかならない。

「シャロースイング」と「ストロンググリップ」を結び付ける情報もあるが、全く別のものである。

初心者向け「ストロンググリップ」は「スライス防止」を目的とした「手の返し」を行わなくてもフェイス面が形成される方法。「手の返し」が無いのでスライスが出なくなり、フックボールが多くなる。

プロの「ストロンググリップ」や「シャロースイング」にするにはそれぞれ別の理由がある。

プロの「ストロンググリップ」は「手の返し」を行わないためではない。「インパクト」時の「左手関節の掌屈(手の平側に曲げる)」の角度が、打ち方で変わるので、力の入り易い持ち方を選択している。

よって、個人差があるし、私が調べた一流プロは全員「手の返し」を必ず行っている。

「手の返し」と言うと、「手の返しはやらない」という情報も目に付く。これは「手の返し」を「手首をコネる」動作と混同している。

「手の返し」はスイングを正面から見ると、インパクト前は利き手の手の甲が見えており、インパクト後はもう一方の手の甲が見えているスイング

それに対し「手をコネる」はインパクト後に利き手の平が上を向いてしまうこと。チーピンが多い人によくある打ち方。同じ土俵で論じる内容ではない。

「シャロースイング」はインパクトのヘッドスピードを上げる手段。効率の良い力強い「手の返し」が可能となる。それを具体的にどのように行うかが重要である。

それらを説明もせず、プロが採用しているから、両方を結び付け、あたかもヘッドスピードが上がるような説明は、因果関係、原理が全く分からず誤解を生む。


⑥コーチが上手く打てるフォームをベースにする


更に「アーリーコック」、「レイトコック」、「ノーコック」、「コッキング」等はプロ毎の「自分にとってやり易い方法」を教えているだけにすぎない。この部分のコーチの意見は様々で、統一性が無い。

「体重移動が重要」と教えるプロも多いが、見た目、殆ど体重移動が無いようなスイングをしているプロもいる。しかし、飛距離は出ている。「腕力があるから」、「柔軟性があるから」等とプロを別物扱いしている場合が多い。

でもプロも人間である。体重移動が少なくても、飛距離が出るのにはキチンとした原理・理由がある。

「これだけで飛ぶ」、「こうすれば曲がらない」、「これだけでスコアアップ」等、多くのネット情報がある。でもネット毎に内容が異なっている。全部の情報を見るとものすごい数になる。

それは言い換えれば「ゴルフの打ち方がたくさんある」ことになる。「これだけ」とはいったい何の意味があるのだろう。それに中身に統一性が無く、真逆のことを説明している場合もある。

統一性が無いならば、それは本当にスイングにとって、重要な要素なのだろうか?


⑦ネット配信による情報は一歩通行


私は数多くの特許出願をして、多くの特許が登録されている。その登録には特許庁の審査官に「その特許が発明として価値がある」ことを認めてもらう必要がある。

審査官は理系が多いと思うが、その技術の当事者ではない素人である。「その素人を納得させる説明ができるか否か」が登録を認めてもらうカギとなる。

少なくとも上記の紹介例は全てアウト。用語の使い方が正確でなく、論理的でなく、まして「プロの実際のフォーム」と発信側の「誇張された疑似フォーム」が全く違うのであれば、説得力が何も無い。

何故ネットではこのような情報発信が主流なのか?

閲覧数を増やすことが収入につながるので、見栄えの良いタイトルを貼っているのが理由だと思うが、それ以外にも発信しているコーチの考え方が、Face to Faceを前提としているからである。

私も大学の2年間、バイトでテニスのコーチをしていた。ジュニア、初心者~上級者まで色々なクラスで教えたが、教え方は以下の通りである。

初心者:基本的なラケットの持ち方やフォームを教える。ただ、フォームよりもボールを上手く打たせて「テニスは面白い」と感じさせることを優先する。

中級者:色々なフォーメーションや試合での技術的なことを教える。運動の機会を与える。より良いフォームを指導する。

上級者、ジュニア:ストローク、ボレー相手、試合の相手となり、必要に応じて新しい色々な球種や相手の技術的問題点の克服法を指摘していく。

初心者、中級者、上級者で教える内容は違う。

あくまでもスクール生の実力・フォームを見て、弱点を即座に判断し、その弱点を矯正できるようなアドバイスを行っていく。オーバ目にその弱点をジェスチャーして納得させることもある。コーチとしては当たり前の行為である。

もしこれを今のネット上で行う場合、私ならばどうするだろうか?

閲覧者の情報は無い。多分、「トップスピン」「スライスサーブ」「フォーメーション」等の閲覧者が知りたいキーワードを使い、一般的なプロのフォーム、自分の動画等を引用し、具体的にその動きを文章で説明していくだろう。

目立つための誇張した変なフォームを使って説明はしないと思うが、今のゴルフのネット情報と同じような発信をすると思う。

ゴルフの場合、閲覧者は「飛距離が出る」「安定する」「スライスが直る」「これだけでスコアアップ」「ゴルフ理論」等の「興味が沸く言葉」見て閲覧し、色々な技術を知り、ゴルフ場で試してみる。上手く行ったりいかなかったりを繰り返す。

勿論、正当なことを説明している情報も多い。でも上記のような誤解を招くネット情報を見て、初心者が上手くできるとはとても思えない。

更に厄介なのが、ゴルフのキャリアが長く、100切りあたりを目標にしている中堅の人。何となくボールが打てて、スコアもそれなりにまとめている人である。

自分は中堅の実力と思い、色々な情報を吸収したい。でもスクールに通いたくない、人に教えられたくない、金も時間もない。

でもネットは好きな時に見ることができる。携帯での閲覧も可能だ。自分で必要な技術を選択できる。タダである。

特に興味が沸くのが「シャンク」「スライス」「チーピン」等の解決法と、「コック」「シャロースイング」「ハンドファースト」等の新しい技術。

やってみたが、「シャンクが直らない」、「スライスは治ったがチーピンが混在する。真っすぐ飛ばない」、「自分がコックを使っているか判らない」、「どこでコックを開放しているかわからない」、「ネット通りにコックの開放を遅くしてみたが、上手くスイングできる気がしない」、「シャロースイングを試すため、フォームを真似てシャフトを横に寝かせてみたが、それからどのようにボールを打つか良く分からない」等・・・

そうした意見が大半だろう。聞くコーチはいない。自分の実力が閲覧する情報発信に合っているか分からない。発信された情報の信憑性が怪しくても、それを確認する手段も無い。

まあ、私がその代表的一人であった。




殆どの人が行っていると思うが、色々な情報を元にその打ち方を試してみて、合うもの、合わないものを見極め、年月をかけて技術を習得していく。

それが「ゴルフの独学」を行う人の現実だろう。

ネットの発信者は閲覧者のフォームを見ていないし情報もない。閲覧者がその情報を有効に生かせる実力があるか否か分からない。共に一方通行である。

ゴルフ1


上記内容がまさしく「ゴルフは独学が難しい」の根拠になっているのである。

特に、ネット情報を調べても、上記「シャンク」、「コック」、「シャロースイング」の疑問に対して、論理的に納得できる回答をしているものは一つも無かった。誰も違和感は無いのだろうか?

それとも私が知らないだけで、全員が説明しなくても理解している常識なのだろうか?

やはり、ネット情報だけで「ゴルフの独学」は難しそうである。

「独学」を否定し、まずはスクールに通うか、コーチに見てもらい、「基礎を習い」、「自分のフォームを見てもらい」、「修正方法を学ぶ」が上達の近道となる。もっともな意見だ。


⑧関節と筋肉の使い方で曖昧な点を無くしたデコピンの説明


以上独学の難しさを説明しました。では独学は本当に難しいのでしょうか?

確かに上記状況では難しいと思います。年月をかけて試行錯誤して経験値を積み重ねるしかありません。

でも考え方を変えればそうでもないのです。

以下に簡単な例を紹介します。


これは相手のおでこに痛みを与える方法です。

中指の第1,2,3関節を曲げ、中指の先端が下を向くようにします。更に中指の先端に親指の先端を付けて〇を作って下さい。それ以外の人差し指、薬指、小指は全部伸ばします。下左図が痛みを与える直前のフォームです。

下右図がおでこに痛みを与えた時のフォームです。中指を親指から放して伸ばした状態です。伸ばした中指の先端がおでこに位置するように調整します。

ゴルフ1


これは「デコピン」の説明です。前述の「プロはコックを解くのが直前」の説明と同じような感じです。手の形を文章で説明しているだけですよね。

「デコピン」を知っている人ならば、この説明でも違和感はないかもしれません。

でももし「デコピン」を知らない人だと、説明通りにこの形で〇を作って、中指の関節を伸ばして終わりになります。相手のおでこに自然に痛みを与えることはできません。

でも以下の説明ではどうでしょうか?


指の中で一番強い力を出すのは中指、次が人差し指。背側骨間筋は指の関節を伸ばすための筋肉。ここでは相手のおでこに痛みを与えるために、一番力の強い中指を使います。

筋肉は負荷に応じて力を蓄えることができます。中指の第1,2,3関節を曲げ、曲げた関節が伸びないように、中指の先端を親指の先端で抑えます。

背側骨間筋を使って中指を伸ばす(伸展)のを、親指で阻止します。両指に力をいれるだけ背側骨間筋に力が蓄えられます。

中指の伸展を抑えているのは中指と親指の接触部の摩擦。

親指を僅かに下にずらすことで、摩擦面が少なくなり、中指の伸展の力が勝るので親指の先端は中指の先端から滑って外れます。背側骨間筋に蓄えられた力は中指を伸ばす力となり一気に開放されます。


文章は少し難しいのですが、しっかり読むと「何故?原理は?その具体的方法は?検証方法は?」が理解できます。

「デコピン」がこのような指の形を作って、相手のおでこに痛みを与えられるか分かると思います。「デコピン」を知らなくても、直ぐに自分で検証して効果を確かめることも可能です。

「何故?原理は?その具体的方法は?検証方法は?」が分かれば、フォームはわざわざ状態を細かく説明しなくても、自然にそうなるのです。

実は「特許」も同じです。文章は難解で細かいのですが、「その特許を見てその技術を活用してみなさい」と言われたら、その細かい内容が役に立ちます。電気製品の説明書も同じです。

要は、初心者、経験者無関係に内容を一人で具体的に確認でき、それを検証して実感できる資料があれば、「独学は可能」「独学は難しくない」ということになります。


⑨関節と筋肉の使い方で曖昧な点を無くせばゴルフの独学は可能


ゴルフは「止まっているボールを打つだけ」のスポーツで、野球やテニスのような「動くボール」を扱ってきた人には簡単なスポーツに感じられるかもしれません。

私自身が若い時は、「ゴルフは老人がやるスポーツ」、「止まっているボールを打つのだから簡単」と思い込んでいました。

ゴルフの未経験者は、そういう人が大半だと思います。

でも実際に、テニスの感覚でゴルフをやると全てのボールが「スライス」。思い通りにボールが飛んでくれません。ゴルフの難しさを痛感しました。

仕方なく、ぎこちなくてもスコアをまとめるため、横引きで「当てる」だけのショット(曲がらない)で我慢しました。

更に、初心者に限らず、ゴルフを長年やってきた人でも、「年を取ってボールが飛ばなくなる」、「当たらなくなる」等の悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。

そして今の私は「頚椎症性筋萎縮症」発症と老化。筋力が低下して使えない筋肉と、衰えた筋肉を把握し、その筋肉をできるだけ使わないゴルフをする必要がありました。

そのために実施したことが、トッププロの理想的スイングを解析し、ゴルフが上手くなるための各キーワードに対し、どの筋肉と関節を使っているかを細かく調べること。

トッププロの理想的スイングはどの関節と筋肉をどんな手順で使っているかが分かれば、自分の技量で採用できる部分を抽出して、自分のスイングを作り出すことが可能になります。

使う関節と筋肉、使う手順が分かれば、細かく検証内容を分解し、個々の必要性・重要性を分析・検証することもできます。

実験は知識者・初心者に限らず、その原理を知り検証要素を限定して行うもの。検証後は全員が納得のいく結果を得ることができます。ゴルフも同じです。それが独学のベースとなります。

それを可能にした本が


です。

またこのURLに書かれた内容に興味を持ち、「関節と筋肉で考えるゴルフ」をやってみたい方は以下のFacebookにアクセスしてみて下さい。




もし、face to faceで、ゴルフの独学を目的に、「具体的にゴルフに必要な関節・筋肉の使い方を教えてもらいたい」という方がいらっしゃれば、出張実費+時給2000円で承ります。

「今教えてもらっているコーチやスクールがあるが、今一上手くならないので、別の方法も試してみたいが・・・」の様な人には、安価・単発で試せるので良いと思います。

但し、私は頚椎症性筋萎縮症で肩が上がらない状況、キャリア8年という事を理解して頂いた上で、本URLに共感・納得して頂いた限定です。

もし、指導開始15分で、「指導方法が気に入らない、生理的に合わない」等があれば、出張実費以外のお金は頂きません。

昔はスコアが良かったが、「歳を取ってから飛ばなくなり、スコアも落ちた」という話は多く聞きます。

他のスポーツをやっていて、会社の付き合いでゴルフを始めるため、ゴルフ経験者と練習場にきて、良く分からない指導をしてもらっている状況もよく見ます。

携帯のネットでゴルフ情報を見ながら、自分の写真を撮りつつ試している人も良く見ます。

でも「そのフォームがその人のベストなのだろうか?ただ、ゴルフに有効な筋肉や関節の使い方を知らないだけではないのだろうか?」

「ネットで見た怪しい情報を信じて、無駄な努力をしていないだろうか?」

「若い時に安定していたフォームも、老化で弱くなった筋肉を使い続けるとショットが不安定になる。その修正を考えているのだろうか?」

と人のフォームを見て思ってしまいます。

そういう方に勧めたいのがこの本です。

あくまでもゴルフのフォームを筋肉や関節の使い方で正確に理解して、個々の使い方とボールの飛び方を検証する方法です。

それを各自で検証してもらい、それぞれの動きの役割を把握した上で、自分の筋肉や関節の状況、検証結果を鑑みながら、最も良い組み合わせを考え、独自のフォームを作っていくガイド役です。

コーチはゴルフが上手いかもしれませんが、教えることはネット情報を見たコピーや憶測、上手い自分のフォームを真似させることが多い気がします。

しかしこの本は、全ての打ち方に対し、詳しく筋肉、関節の使い方をベースにして紹介しています。各自が読んで「どの方法が自分にとって良いか選択した上で検証」するのだから、私に何が良いという推奨はありません。

あなたも、自分の体に合ったフォームを技術的に納得しながら考えて作ってみませんか?