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スライスを論理的に直す|ゴルフを始めたばかりの野球・テニスの経験者必見


野球・テニスの経験者でゴルフを始めた方、スライスで悩んでいませんか?


学生時代に野球やテニスを一生懸命頑張って、運動神経もそこそこ良いあなた。社会人になってゴルフを始めてスライスに悩んでいませんか?

「自分は運動神経が良く、止まったボールを打つゴルフも直ぐに上手くなるだろう」と思っていませんでしたか?

そのような人が最初にぶつかる難関がスライス。ドライバーで飛ばそうと思えば思う程、右の方にカーブして飛んで行ってしまうボール。それがスライスです。

ある程度練習して、アプローチやパターは上手くなっても、つい気を抜いて打ったドライバーがスライスでOB、アイアンがスライスで曲がり、バンカーで大叩き。

今はスライス前提で左方向に打ってます・・・そんな経験があるのではないでしょうか?

上手い上司に教わると、「インサイドアウトで打ちなさい」、「ストロンググリップにしなさい」、「フックを打てれば直るよ」とアドバイスされる。

実際に試すと、フックは打てるがスライスにフックやチーピンも混ざり、何故か真っすぐに飛ぶボールだけが打てない・・・

そんな苦労をしていませんか?

確かにスライスには色々な原因があります。プロでもスライスやフックを打ってしまうこともあります。

でも、野球・テニスの経験者が打ってしまうスライスはその根本的な原因が違います。

その部分を論理的に理解して直さないと、いつまで経ってもスライサーから抜け出すことはできません。

ここではその原因を論理的に説明し、しっかりスライサーから抜け出す方法を紹介します。

項目は以下の通りです。

1.野球・テニスの基本はディレイタイム
2.ゴルフのディレイタイムは不安定要素
3.捻転とはどういう動き?
4.原因療法でスライサーから脱却

では早速、説明を始めましょう。

1.野球・テニスの基本はディレイタイム


野球、テニス等のように、前から来るボールを打つ、ボールを前に送り出す(投げる、サーブ)動作では、「体重移動」が「体の捻じり」に大きな役割を果たします。

では野球、テニスのボールを打つ動作を細かく分析してみましょう。

野球、テニスはボール打つ前は殆どの体重が片足にかかります。殆どの体重が片足に集中していると、その足を回転軸にできます。

もう一方の足はバランスを取るだけの役割なので、体を捻じることでボールを打つ方向と、両肩をつなぐ線の「なす角」を簡単に60度以上にできます。

ここで言う「体の捻じり」とは腰の回転と背骨の回旋及び、両肩甲骨の回転の和で決まります。

「なす角」が大きいと、「体重移動」しながら「腰の回転」を戻している間に、自然に「最大捻転角」が作られます。

ここで言う「最大捻転角」とは、「背骨の回旋の限界値」。これ以上捻れない状態を指しています。

「腰を回転」している間にある程度の「捻転」は形成されるので、「体重移動」して「腰の回転」を戻している間は、更に「最大捻転角」まで背骨を捻ることになります。

筋肉は捻れば捻るほどエネルギーを溜めることができます。よって、背骨を捻る筋肉にも大きなエネルギーが溜まります。

これ以上捻れない状況になると、その瞬間の「腰の回転速度」が、そのまま「肩の回転速度」になり、エネルギーが放出されます。

「腰の回転速度」が速いほど、瞬時に速い「肩の回転速度」が得られることになるのです。

この「腰の回転速度」に加えて「捻転角」を戻していくと、腰の上に背骨があるので、その分「肩の回転速度」は更に加速されます。

「肩の回転速度」は、「腰の回転を戻す速度」と「背骨の回転を戻す速度」の「和」となり、バット、ラケットを早く振る原動力となります。

<野球の打者の場合>

スライス1



<テニスの打者の場合>

スライス2


野球とテニスの共通点は、「腰を回転」している時はまだ「捻転角」は「最大捻転角」ではなく、「腰の回転」を戻す時には「体重移動」で頭の位置が大きく変わることです。

上図を説明すると、

①頭を打つ方向に動かしながら、軸足からもう一方の足への「体重移動」を使うことで、「腰の回転」をスムーズに、且つ高回転を実現する。

②「腰の回転」を戻している間に「最大捻転角」にする。
「最大捻転角を作り出している状態」は、膝を入れている(膝の角度が内側に動く。重心が移動し左足で体重を支える瞬間)時に、肩の位置(赤丸)が動いていないことで確認できる。

③バット、ラケットでボールをヒットするまでは、「腰の回転力」に「捻転の開放」を加えるが、その間は頭の移動は殆ど無い。「回転軸の傾き」も位置も変わらない。

実は、テニスや野球では「捻転」という言葉はあまり使われません。「腰の回転」の動作中に自然に「捻転」を作り利用しているので、敢えて考える必要が無いからです。

野球やテニスでは、膝を入れたのと同時に「重心移動」で「腰の回転」を戻し、少し遅れて「肩の回転」が始まります。このディレイタイムが、「最大捻転角」を作る時間になっているのです。

「捻転」は「最大捻転角」まで行かないと「腰の回転」に追従して動きません。

「最大捻転角」となり、初めて「腰の回転速度」に「肩の回転速度」が追従し、更に「捻転の解放」が加わって速い腕の動作につながっていきます。

具体的には、腰の回転は意識しますが、お腹に力を入れる意識はありません。すると最初のうちはお腹に力が入ってないので捻転差が発生します。

最大捻転角になった頃合いに、お腹の筋肉が張り、肩の回転が始まるのが分かります。お腹の筋肉がバネのような役割をして、効率的に速い肩の回転が得られます。

その使い方に慣れてくると、腰を回転させるタイミングでお腹に力を入れ始めるようになります。すると、最大捻転角になった時のお腹の筋肉のバネ強度を強くすることができます。

この力の入れ方のタイミングや強さにより、バネ強度を変えることができます。すると肩の回転速度も変わり、ボールを打つ力を調整することができるのです。

よって、感覚的には捻転など考えずに無意識にスイングします。

このように、テニスや野球では無意識に「最大捻転角」を作り出し、無意識にディレイタイムを利用しているのです。

2.ゴルフのディレイタイムは不安定要素

テニスや野球では、無意識に「最大捻転角」を作るため、「腰の回転」と「肩の回転」に大きなディレイタイムが発生していました。

野球やテニスは地面に対して水平にスイングします。よって、頭を動かし、体が開いた(腰が前を向いた)状態でインパクトの位置を前にできます。

ディレイタイムがあっても、ボールを打つタイミングは簡単に合わせることができます。

ゴルフではどうでしょうか?同様にゴルフに対して確認してみると大きな違いがあります。

<ゴルフのドライバー>

スライス3

①アドレスしてからバックスイングまでの間に「腰の回転」だけでなく、意図的に「肩の回転」も同時に行っている。

②膝を入れている(膝の角度が内側に動く。重心が移動し左足で体重を支える瞬間)とほぼ同時に、肩の位置(赤丸)も大きく動いていることから分かる。

③ダウンスイング時は殆ど頭の位置は動かさない。

ゴルフは縦にスイングするスポーツです。止まっているボールを打つので、頭を動かしインパクトの位置を前にすれば最下点で打つことは体の構造上難しくなります。

ダウンスイングでは頭の位置を固定し、ボールを打つインパクト時の体の開きは、野球やテニスよりも少なくする必要があります。

更に、ゴルフの「アドレス」は安定感重視なので動きが少なく、殆どの人がしっかり両足を地面に付けています。片足だけでスイングするのが難しいのです。

そのため、回転軸が両足で干渉し、腰の回転が小さくなります。

もし野球やテニスと同じ発想で、ゴルフでもスイングの途中で「最大捻転角」を作り出す技術を流用するには、大きな「腰の回転」を作る必要があります。

その腰の回転を戻している間に、このディレイタイムを吸収して、「インパクト」地点にグラブが到達するタイミングを合わさなければなりません。

更に、ゴルフではボールの飛距離は重要ですが、それ以上に方向性や安定性が要求されます。

遅れて動き始めた肩の回転を「インパクト」までに戻すことは、ゴルフには難しいのです。

一般のボールを打つスポーツの基本は「切り返しは腰から始動」です。でもこれは「腰の回転」を指しているのではなく、「重心移動」の事を指します。

ゴルフの殆どのプロは、腰の位置を右から左に動かすのを起点に、「腰の回転」と「肩の回転」をほぼ同時に始めます。

野球やテニスのような大きなディレイタイムを発生させないないのがゴルフのスイングの基本となります。

「切り返し」で「肩の回転」と「腰の回転」をほぼ同時に行うのは、上記ディレイタイムが少ないスイングをすることで、インパクト時のクラブのフェイス面を安定させるためです。

ゴルフと野球・テニスでは、基本のスイングに大きな違いがあるのです。

ゴルフではディレイタイムは不安定要素でしかありません。

3.捻転とはどういう動き?


野球やテニスの経験がある人にとって、体重移動や腰の回転は基本。でも無意識に使われる「捻転」についてはあまり考えたことが無いかもしれません。

「捻転」とは「背骨の回旋(背骨をネジル)」のことです。これはゴルフには大事な基本的技術ですので、深堀していきましょう。

腰と肩の間には3つの関節があります。それが背骨と呼ばれる胸椎と腰椎、肋骨と肩甲骨をつなぐ肩甲胸郭関節です。

胸椎と腰椎は、腰に対して肋骨を60度程度回旋させることができます。

「腰の回転」もゴルフで使う場合は60度程度です。即ち、「腰の回転」でも、「胸椎と腰椎の回旋」でも、地面に対して肋骨を60度回転させることができます。

そしてバックスイングトップで顎の下に肩を持ってくる最後の回転に使うのが肩甲骨。

肩甲骨と肋骨の間の関節が肩甲胸郭関節。この関節は靭帯や腱が無く、多くの筋肉だけでつながっており、複雑な動きを可能にします。

左肩甲骨の外転、右肩甲骨の内転を行うと、肋骨に対し30度程の回転が可能です。

基本5

「腰の回転」または、「背骨の回旋」60度と合わせて、地面に対しては、合計90度の肩の回転となります。

トッププロのスイングを見ていれば分かりますが、肩の回転は肩が顎の下に来る90度で十分です。

ゴルフではこの「胸椎と腰椎の回旋」を「捻転」と言います。背骨は椎体の集まりで、その間にある椎間板によって複数の椎体が相対的に動きます。その捻じれる方向が回旋ですので、「捻転=捻じれ」となります。

基本6

体が柔らかく、捻転を使って肩を回転させる人は、バックスイングで腰の回転は殆ど不要となります。

お分かりでしょうか?野球やテニスの経験者は殆どが、使い慣れた腰の回転と体重移動を重視したスイングでゴルフを始めます。

スイングを速くするために、この「捻転」という動きが無意識に行われます。

腰の筋肉に力を入れ固めていないと、腰が回転しても「捻転」が「最大捻転角」になるまで捻られないと肩の回転は始まりません。

これが腰の回転に対して肩の回転が遅れるディレイタイムを発生させます。

その結果、インパクト位置では体が開き、肩の回転の遅れにより遅れて動くクラブヘッドのフェイスは常に右を向いています。

テニスや野球では、フェイス面が打つ方向を向くところまでインパクト位置を前にすれば問題ありません。

しかしゴルフはボールの位置が決まっており、インパクト位置は固定です。必然的にフェイス面が右を向いた状況でボールを打つしかありません。

強く打てば強く打つほどディレイタイムは長くなりその傾向が強くなります。スライサーの誕生です。

4.原因療法でスライサーから脱却


では、スライサーが時間をかけてスライスを修正していく過程を追ってみましょう。

①スライサーは体が大きく開いた状態でインパクトを迎える。よって、クラブヘッドの円軌道の最下点とインパクト位置が一致し難い。
 ⇒野球やテニスのような直線の横スイングに慣れているので、クラブヘッドの上下に対する調整ができず、トップ・ダフリを繰り返す。

②練習により、上下方向の調整ができるようになる。
 ⇒ボールは当たるようになるが、ディレイタイムのあるスイングは体に染み込んでいるので、簡単には直らない。殆どがスライスボール。

③腰を固めるぎこちない打ち方でたまに真っすぐに打てるようになるが飛距離が出ない。
 ⇒飛距離を出すために腰の回転に捻転を追加。しかし、捻転した腰を固める打ち方では、インパクトでフェイスが戻らずスライス。

④ゴルフ情報や上手い人の助言で、インサイドアウトスイング、ストロンググリップ、意図的な手の返し、足やピンの位置を変える、スライス前提で左を向いたアドレスを取る。
 ⇒対処療法。スライスによるOBは少なくなるが、スライスだけでなく、フックやチーピンも混ざり安定しない。なかなか100が切れない。

⑤経験と練習を重ねることで、飛距離が出て真っすぐ飛ぶ自分に合ったテクニックとタイミングを見つける。練習場でその打ち方ができるように更に練習を重ねる。
 ⇒練習量にもよるが、週1ゴルファーなら10年以上かけることでそのスイングが考えなくてもできるようになり、スコアが伸びていく。自己流のスイング完成。

もし、スライサーの根本的原因が、ディレイタイムであることが分かっていたら、全く練習方法は違ってきます。

でも、スライサーに対し、「ディレイタイム」を指摘するゴルフ情報や上手い人の助言は殆ど無いと思います。何故でしょうか?

それはゴルフの上手い人自体、経験が長く上記の過程を経ているか、昔からゴルフを習いディレイタイムを使うスポーツの経験が少ない人が多いためと考えられます。

テニス、野球が上手かった人でも感覚的に自分で上手くできる人は論理的に考えません。一流だからといってゴルフを論理的に教えられるとは限らないのです。

更に、ゴルフが上手い人はストレートボールだけではなく、アウトサイドイン軌道でスライス、インサイドアウト軌道でフックを打ち分けることができます。

よってその助言はアウトサイドイン軌道で出るスライスを如何に目的の方向に飛ばすか?答えは上記④のような助言内容になります。でもそれはあくまでも対処療法。

野球やテニスをしっかりやってきた人のスライスの原因はディレイタイムのあるスイング。これ自体を直さないと原因療法にはなりません。

ではどうするか?

まず、決めなければならないのは、「腰の回転」を重視したバックスイングにするか、「最大捻転角」を重視したバックスイングにするかです。

「腰の回転」を利用すれば、スイングは楽ですが、ダウンスイングからインパクトまで、腰と肩の回転が連動するように腰回りの筋肉を固める必要があります。

腰回りの筋肉を固めるという事は、捻転は使われていません。腰の回転でゴルフをする人は、「捻転は自然に使われる」と説明することがありますが、これは間違い。

簡単な実験をすれば分かります。腰を回転してダウンスイングの時と同様に腰の回転を戻してみて下さい。その時、上半身が動かないようにしてみましょう。

簡単にできると思います。これはフラダンスと同じで、腰を動かしてもお腹に力を入れなければ、腰の回転に上半身は追従しません。

お腹に力を入れておけば、腰の回転と同じ速度で肩を回転させることができます。

腰の回転を戻す時、腰の筋肉を固めて追従させているだけで、背骨の回旋により得られる捻転差を使っているのではありません。

捻転差が使われるのは、腰の回転による加速運動が終了した後。腰の回転は減速してしまいますが、その上半身の回転の慣性力を背骨の回転が引き継ぎ、肩の回転速度を維持します。

このスイングの後半に捻転差が利用されているのです。

この「腰回りの筋肉を固める」という動きはゴルフ特有のものなので、殆どのテニス、野球の経験者が最初はぎこちなさを感じるはずです。

でも、慣れてくるとディレイタイム無く、腰の回転を直接肩の回転に置き換え、捻転差をスイングの後半に利用することが可能になります。

もう一つが「最大捻転角」の利用。これは今まで慣れた野球やテニスの腰の回転を使ったスイングを捨てるということです。

回転だと分かり難いので、下図のような簡単な物理実験に例えてみましょう。

①はスライサーの例です。下のバネは腰を回転する筋肉、上のバネは背骨を回転する筋肉と考えて下さい。筋肉は縮む筋肉と伸びる筋肉のセットで使われます。

腰を回転させると一方のバネが縮み、もう一方のバネは伸び、力を蓄えます。この時、上のバネには力を入れてなく、弱いバネです。

ダウンスイングで左の状態から右の状態まで腰が回転しても、弱いバネが伸び縮みしてしまい、肩は回転していません。

しかし、最大捻転角まで到達すると、もう止まっていられないので、腰の速度と同じ速度で肩も動き始めます。この時間の遅れがディレイタイムです。

スライス4

ではこのディレイタイムを発生させないようにするにはどうしたらよいでしょう?それが②のゴルフで使われる方法です。

原理は簡単。腰が動いても、腰と肩をつなぐバネを強くすれば良いのです。方法はお腹の腹筋に力を入れ、腰と肩が一体で動くようにしています。ディレイタイムは発生しません。

そして最後の③の方法が腰を使わず、背骨の回転だけで最大捻転角を作り、伸びた筋肉のパワーを使って肩を動かす方法です。

インパクトでは②と③が同じ状態になっており、ディレイタイムが無いのが分かります。

しかし、捻転できる角度には個人差があります。捻転だけで60度の回転を得られない場合、やはり腰の回転を併用します。

でもその「腰の回転」はテニスや野球の腰の回転とはだいぶ異なった方法です。

ここでは具体的方法も説明しましょう。

まず、胸椎と腰椎の回旋で回転できる最大角度を「最大捻転角」とします。「最大捻転角」が60度まで行かない人は、足りない回転を腰の回転で補います。

この腰の回転量が小さければ、意識して回転軸を考える必要はありません。腰より下はある程度力を入れておくことで、消しゴムのような弾性体となります。

消しゴムは僅かに捻じることができますが、回転軸は一定です。腰より下の各関節が僅かに移動してバランスを取り、小さい腰の回転ができているので、回転軸を意識しなくても安定した1つの仮想回転軸が形成されています。

但し、ゴムですから、両足をしっかりと地面に付け、下半身の全関節と筋肉で均等に回転を分散する必要があります。重心移動、体重移動はそのバランスを崩しますので、殆ど行いません。

膝を大きく曲げるのもNG。反対に、できるだけ左膝は曲がらないように、右膝は伸びないように耐えると、筋肉にパワーが蓄えられます。

するともう腰は回せないので、背骨を捻じる必要があります。これは座った状態で上半身を捻り、捻ることができない限界と同じ状態を、バックスイングトップで作るという事です。

すると、バックスイングのトップでは既に「最大捻転角」が形成されているのですから、腰の回転と同時に肩の回転も始まります。

ダウンスイング時には、下半身が安定したゴムのような弾性体として作用し、捻転の解放と共に肩を回転させます。

「最大捻転角」状態では、既に筋肉にパワーが蓄えられています。この捻りのエネルギー開放は「腰の回転だけを使ったスイング」に匹敵する肩の回転となります。

腰の回転が小さいので体が大きく開くことはありません。ディレイタイムも発生しないスイングとなります。捻転差は最初から最後まで使われ続けます。

女子プロでは「最大捻転角60度」に加えて、弾性体の下半身を使って90度以上肩を回転させる人もいます。飛距離を得るには有効な手段ですが、ボールを見るための頸椎(首)の柔らかさも必要となります。

昔からゴルフをしているプロは腰の回転と体重移動を重視する人が多く、最近の若いプロは捻転にウェイトを置いたバックスイングをしている人が多い傾向があります。

見分け方はそれ程難しくありません。捻転重視の場合、下左図のように、重心位置の移動が少なく、両足と顔の中心を結ぶ三角形が二等辺三角形に近くなります。左膝も大きく曲がりません。

一方、腰の回転、体重移動重視の場合、下右図のように、重心が右足方向に動き、両足と顔の中心を結ぶ三角形が直角三角形に近くなります。左膝は大きく曲げる傾向にあります。

基本7


両足と顔の中心を結ぶ三角形が二等辺三角形となる「捻転重視」では、アドレス位置からバックスイングを行っても、頭の位置は大きく動きません。

しかし、直角三角形となる「腰の回転」重視の人は、アドレスの位置から頭を右足方向に移動させます。アドレス位置で予め頭を右足方向に移動し、直角三角形を形成する人もいます。

但し、ダウンスイング時には両方とも頭の位置は固定しています。そのため、インパクト時の頭と左足首を結ぶ軸は「腰の回転」重視の人の方が大きく傾くことになります。

この軸の傾きの違いに対する補正は、インパクト時の左手首を手の平方向に曲げる「掌屈」の度合いで調整できます。

同時にボールを打つフェイス面の角度調整も「掌屈」の度合いで行えます。

インパクト時には体の傾き量以外は、「腰の回転」重視でも「捻転」重視でも、トッププロの場合はダウンスイングに大きな差異はありません。

また、「腰の回転の解放」と「最大捻転角の解放」で得られる肩の回転速度はそれ程大きく変わりません。だから「腰の回転」重視と「捻転」重視のプロが存在します。

どちらの方法が優れているというものではありません。シックリくる方法を選べば良いのです。

基本15

上記の三角形が示していることは、以下のようになります。

・腰の回転と体重移動を重視する人の場合、バックスイングでは頭の位置及び重心位置は右側に移動し、体重比も右足の方が多くなる。

・捻転を重視する人の場合、バックスイングでは頭の位置及び重心位置は大きく移動しない。よって、体重比も両足で大きく変わらない。

スライサーから早く脱却したいのならば、対処療法を行わずに、原因療法を行う事をお勧めします。

ポイントは「ディレイタイムの存在を意識し、それを取り除くと共に、自分のバックスイングを腰の回転重視か、捻転重視かどちらかに決める」です。

但し、ゴルフの教えでは、「腰の回転と捻転の両方を使う」と教えるものが多いです。それを行う限り、スライサーからの脱却は時間がかかってしまいます。

普通の人ならば、腰の回転は60度。最大捻転角も60度。両方合わせて120度もバックスイング時に回転させる必要はありません。

では、腰の回転60度と捻転60度を合わせて120度、肩を回転できるのでしょうか?実はそれはできません。

例えばバックスイングで腰を60度右回転したい場合、右股関節を使います。すると腸腰筋が引っ張られ、腰椎の回旋量に制約を与えます。

反対に腰椎を回旋させて捻転を作っても腸腰筋が引っ張られ、右股関節の回転量に制約を与えます。

関節を動かすのに直接関与しない筋肉でも、どの骨と骨を繋いでいるかにより、一方の動きで他方の動きを抑制することがあります。

基本17


脇腹の右方向に回旋させる筋肉は腰の骨につながっています。そのため、捻転を作る時に腰の骨を引っ張ることで、右方向に腰も回転させます。

腰が回転しないように踏ん張らないと、捻転と同時に腰も回転してしまい、いつまでも捻転を最大捻転角に持っていけません。

最大捻転角に背骨を回旋させるには、腰が回転しないように踏ん張るのが不可欠な技術です。

一方、腰を右回転した場合は、右股関節の回転で腸腰筋が引っ張られ、腰椎の右回旋は制限されますが、左回旋は引っ張られた腸腰筋を緩める方向です。

腰の右回転と同時に腰椎を左回旋すれば、肩は回転しません。フラダンスはこれを利用しています。

でもゴルフの場合は、腰の回転に合わせて肩も回転する必要があります。そのためには腰の筋肉に力を入れて固めます。

これは腰の回転をそのまま肩の回転に伝えるために不可欠な技術なのです。

最大捻転角を使わずにお腹の筋肉を固めて腰の回転と肩の回転を同時に行うか、最大捻転角を利用して腰の回転と肩の回転を同時に行うかの選択が必要です。

それ以外にディレイタイムを無くす方法はありません。

他のゴルフの技術についても筋肉・関節の動きで理解してみませんか?

このように、ゴルフのスイングを関節・筋肉の視点から考えると、独学でも「どのように自分のフォームを直せばよいか?」が明確になってきます。

私は小学校で野球、中学がソフトテニス、高校・大学がクラブで硬式テニス、社会人で実業団とテニス歴40年。

頚椎症性筋萎縮症という病気で部分的筋肉の萎縮から両腕が上がらなくなり、テニスの継続を断念してからゴルフを本格的に始めています。その時苦労したのがこのスライス。

理系なので、病気の影響が無い使える筋肉を選択しながら科学的・論理的にスライスの原因を考え、色々試しながらスライスを克服しました。

同様に考えれば、ゴルフの全ての技術に関しても科学的説明が可能で、自分の筋肉と関節を使って実験検証もできることが分かってきました。

テニスは若い時に始め、キャリアも長いので、上手くできずに悩んだ記憶はありません。よって、テニスコーチ歴も10年ありますが、感覚で教え、論理的に考えていませんでした。

病気にかかり、上手くできない立場になって、初めて独学には、論理的な考えが重要だと感じています。

このように自分でゴルフの技術を論理的に理解し、自分で試して確認することが「独学」の基本となります。

ゴルフの全ての技術に対して、関節・筋肉の視点から正確に表記しているのが、

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