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頚椎症性筋萎縮症の保存療法による克服とスポーツの継続


ここでは、「頚椎症性筋萎縮症」を両手に発症し、腕の筋肉の萎縮で趣味のテニスができなくなり、ゴルフに切り替え、闘病しながら独学でゴルフを行っている「闘病記」を紹介します。

「頚椎症性筋萎縮症」は症例が少なく、闘病記を紹介することで、「発症された方の参考になれば」と考えています。

同時に、闘病しながらゴルフを継続するためのノウハウは、独学でゴルフを行っている人にも参考になる部分が多い(論理的に具体的にゴルフの技術を分解する)と思います。

内容は以下の通りです。

1.頚椎症性筋萎縮症の発症(右手)
2.頚椎症性筋萎縮症とは
3.頚椎症性筋萎縮症は治るのか?
4.頚椎症性筋萎縮症の情報開示
5.病気との付き合い方
6.趣味であるテニスへの障害を克服
7.メコバラミンとは
8.最悪の症状から少し回復
9.メコバラミンの服用中止
10.利き手(左手)にも頚椎症性筋萎縮症発症
11.再度病院で検査と治療
12.テニスのフォームの抜本見直し
13.病院での治療を諦める
14.テニスを続けても良いのだろか?
15.テニスの代替えはゴルフ
16.やるならば、しっかりゴルフをやる
17.ストレートネックを直す
18.自分に合ったゴルフのフォーム研究
19.更にテニスのフォーム見直し
20.フォーム変更による症状緩和の期待
21.ゴルフに対する病気の影響
22.テニスクラブの退会
23.テニスを止めると症状が改善
24.自分のフォームを関節、筋肉から分析
25.自分にできるスイングの考案
26.採用したフォームの欠点検証
27.首の筋力を強化
28.今までに無い筋力回復を実感
29.筋力に見合った新しいスイングの考察
30.関節、筋肉を意識したゴルフ独学
31.ゴルフと共に
32.両腕が全く上がらない。病状の悪化?
33.独自のリハビリ法考案。2ヵ月で驚きの回復。誰にでもできるその方法を紹介


1.頚椎症性筋萎縮症の発症


2013年

スポーツセンタージムでケーブルカールという上腕二頭筋を強化するマシーン使用中に右手に力が入り難い違和感

加齢による筋力低下?にしては53歳なので早すぎるが、その日の調子が悪いと考えあまり気にしないことにした。

その後ジムに行く回数が減り、辞めてしまったので、右手に力が入らない状況を意識することが無くなっていた。

趣味はテニス。エバーグリーンテニスクラブ(今は倒産)に所属していた。サウスポー、片手バックハンドなので右手を使うのはサービスのトス。

子供は3人いるが、全員中学生以上だったので、子供を抱き上げるなどの力作業も少ない。

仕事は完全なパソコン業務。

右手の筋肉が徐々に萎縮している状況を実感する機会が殆どなかった。

2014年

しかし1年後、徐々に右手に力が入り難いと感じる時間が長くなる

そして、

ヒゲを剃るため、右手で顔にクリームを塗ろうとしても、顔まで右手の指を上げられない

テニスでサーブのトスが右手で上げられず、箸(サウスポーだが、箸は子供のころ矯正されて右持ち)が机に肘を付かないと口まで持ち上げられない

流石にここまで悪化すると無視する訳にもいかず、ネットで「手が上がらない、手に力が入らない」病気を検索。

何処にも痛みやしびれは感じないので、該当する病気は2つ

「筋萎縮性側索硬化症(ALS)と頚椎症性筋萎縮症。前者は生存率が2年半と言われる難病。

「もっとしっかりした生命保険に入っておけば良かった」と少し後悔。

地元の汐見台病院に行き診察

右手の三角筋と上腕二頭筋、回外筋に筋萎縮が見られたが、それ以外の部分に筋委縮や神経障害の兆候はなく、頚椎症性筋萎縮症と診断


2.頚椎症性筋萎縮症とは


頸椎症性筋萎縮症は頸椎の加齢性変化、過度な使用により発症する病気。

私の場合は、頸椎のC5,C6部位の髄節障害により、「三角筋、上腕二頭筋、回外筋の筋肉を作れ。」という指令が脳から行かなくなり、それらの筋が萎縮している。

その結果、筋力低下で力が入らなくなり、腕を上げられなくなるという症状だった。

頸椎の病気は「頚椎症性神経根症」と「頚椎症性筋萎縮症」。

前者は頸椎の後方部圧迫で発症し、痺れや痛みが主症状。後者は頸椎の前方部分圧迫で発症し、特定の筋肉の萎縮で力が入らない、腕が上がらない等が主症状。

発症率は「頚椎症性神経根症」の方が圧倒的に多く、ネットで調べても、後者の情報は少ない。


3.頚椎症性筋萎縮症は治るのか?


頚椎症性筋萎縮症の治療には「保存療法」と「手術療法」がある。

この「手術療法」は発症してからの期間が短く若いと治る可能性が高いようだが、私の場合、発症してから1年経過してからの来院だったので、完治する確率は下がるとの医師の話。

簡単な手術ならばトライしてみる価値はあるが、頚椎症性筋萎縮症の手術は首の前から切開する頚椎前方除圧固定術。

切開後、神経を圧迫している椎間板や骨部分を削り取り、削り取った椎間板の上下を固定するための金属を頸椎に取り付ける方法。

簡単な手術ではなく、合併症や痺れなどの後遺症が残る可能性もあるということ。

ネットで「手術療法」による「頚椎症性筋萎縮症」の経過を報告している「ブログ」を探したが以下の1件だけ

頚椎症性筋萎縮症ブログ1



一方「保存療法」は投薬、リハビリなどを行い、自然治癒力で治していく療法。

ネットで「保存療法」による「頚椎症性筋萎縮症」の経過を報告している「ブログ」を探したが以下の1件だけ

頚椎症性筋萎縮症ブログ2

その他ヒットする情報は、医師の論文による報告書や、整体師の資料ばかり。それも「改善、回復」がどの程度かの具体的内容も分からない。


4.「頚椎症性筋萎縮症」の情報開示


この時、私の脳裏に「これって、保存療法で具体的経過を検証し、色々考えながら改善の方向に進めれば、高齢や諸事情により手術療法を取らない、取れない人への情報提供になるのでは?」という思いが廻った。

下の写真は私のMRI写真。ネットで調べると、この病気は第5頸椎と第6頸椎の間の椎間板の変形が顕著に見られる場合が多い。

でも私の症例では「少し変形が見られる」レベル。人間ドッグの先生にも、「頚椎症性筋萎縮症」のことを言わなければ、MRI写真からは異常を確認できなかったレベルである。

変形という意味では第3頸椎、第4頸椎の間、第4頸椎、第5頸椎の間の椎間板も変形している。でも上記筋肉以外に症状は全くなく、握力なども正常である。

頚椎症性筋萎縮症



「これならば、保存療法で治せるかも」という素人判断があった。

これらのことが「保存療法を行う」と決断するきっかけとなる。

自然に治癒することを期待した闘病生活が始まった。


5.病気との付き合い方


自分の体を使った実験検証なので、何をやるのも自己責任。

日常生活だが、週2回のテニス(1日はテニスクラブで昼から夜までのテニス三昧、ダブルス6,7試合、あと1日は夕方からの貸しコートで昔の会社のテニス仲間とテニスの練習1時間たっぷり+飲み会)と海釣り公園での釣りが1日。

あとは殆ど自宅でパソコン作業と、技術コンサルタントをしている会社への週1回の出社。

幸いなことに、利き腕の左手には何の症状もなかったので、右手で出来なくなった作業は左手で代替えできる。

物を持ち上げる力作業は妻・子供に基本任せ、肘を付いた食事は行儀が悪いが、病気ということで家族に了承してもらった。


6.趣味であるテニスへの障害を克服


問題はテニスのトス。ラケットでサービスを打つ位置までテニスボールを上げなければならないが、左手はラケットを持っているので代替えは無理。

そこで考えたのが振り子トス。右手を前後に振り、勢いを付けてトスを上げる方法である。

勢いを付けても、ボールの重さで手を挙げられる高さは顔の高さが限界。そこでボールを放しても、思ったところにトスが上がらない。

元々、私のテニスのサービスは、ファーストサーブがサウスポーの利点を生かしたスライスサーブ、セカンドサーブがボールの弾みが逆方向となるスピン(ツイスト)サーブだった。

スライスサーブは顔の斜め前方向にトス。スピンサービスは顔の斜め後ろにトスを上げる。

トスの位置が違うボールは打ち慣れているので、頭の上50cmまでボールを上げられれば、多少ボールが散らばっても、臨機応変に打つことはできる。

トスの練習を繰り返し、何とかラケットでボールを打てる頭の上50cm位置までトスでボールを上げられるようになった。

これでテニスを継続(上からのサーブで)することができる。

とりあえず、病院で3か月分もらったメコバラミンを服用し、日常生活は全く変えずに、半年様子を見ることにした。


7.メコバラミンとは


メコバラミンは神経の核酸・蛋白合成を促進し、軸索再生、髄鞘形成を促すことにより、傷ついた末梢神経を修復してしびれ、痛みなどを改善。通常、末梢性神経障害の治療に用いられる。

とは言っても、メコバラミンは単なるビタミンB12。それ程画期的な改善を期待できる薬ではない。

即ち、日常生活は殆ど変えずに、このビタミン剤の投薬のみで何処まで改善が見られるかが検証内容となる。

それから6か月、途中でメコバラミンを病院から3か月分追加でもらい、日常生活を変えずに頚椎症性筋萎縮症の進捗をチェック。


8.最悪の症状から少し回復


問題だったテニスのトスについては、いつの間にか勢いを付けなくても所定の位置にボールを上げられるまで右手の力は回復していた。

ひげ剃りのクリームを顔に付ける作業も、肘を付かないで右手で箸を使うこともできるようになった。かなりの改善である。

但し、これはあくまでも「日常生活に困らない」という意味であり、三角筋、上腕二頭筋、回外筋の萎縮が大幅に改善した感じはない。

力を入れても直ぐに力が入らなくなる。即ち持続力が改善していない。筋肉も見た目やせ衰えたままである。

今後の具体的検証方法としては、右手を横に伸ばして何秒維持できるかで判断することにした。

最悪の状況では全く上がらなかった右手が、横に伸ばした状態で30秒程は維持できた。

でも元の状態ならば、「手を横に広げて維持できない」と感じないのが普通(多分10分位は維持可能?)なので、完治には程遠い状況である。

まあ、安静にしていれば自然治癒もあるのだろうが、日常生活を全く変えていないので、「回復傾向が認められただけでも良かった」と考えるべきなのだろうか?


9.メコバラミンの服用中止


あとはメコバラミンの服用をどうするか。ビタミンB12は一般に必要な摂取量が1日あたり2.4μg。それ以上は接種しても体の外に排出されてしまう。

普段から動物の肉、魚は多く食べており、夜の晩酌のおつまみとして、海苔を3枚(9g)食べている。

ビタミンB12の摂取量を計算しても、十分に1日に必要な摂取量は取っているはず。先生も「この薬は気休め程度の効果」と言っていたので、「私には不要」と判断し、服用を止めた。

この食生活は昔から変わっていないので、「回復傾向はメコバラミンの服用による効果ではない可能性が高い」と考えたのである。

「頚椎症性筋萎縮症」を研究している先生達の論文を見ると、「発症後、数週間~数か月で回復方向に向かう場合が多い」と書かれている。

人間の体は神秘的である。「切断させた腕の神経をつないでおくと、自然に神経が通る」ということは良く知られた事実である。

頸椎の変形で神経が圧迫され一時的にその機能を失っても、その状態を回復させる自然治癒力が働くはず。

ある程度、通常生活に支障が出ない程度には回復するのだろうと考えている。

2015年


10.利き手にも頚椎症性筋萎縮症発症


それから1年半、相変わらず右手の筋力は回復せず小康状態。でも、この状況に慣れてしまったためか、日常生活で困ることは殆ど無かった。

しかし、オートテニスでフォアハンドの練習中、トップスピンで打ったボールが無意識で地面に行ってしまう状況となった。

原因は、フォアでトップスピンを打つ際の、脇を開ける動作が十分でなく、ラケット面が下を向いている状態でボールをヒットしていることである。

左手にも萎縮症発筋萎縮症を発症したのか?

更に、片手バックハンドでフラットを打つときにも違和感(脇を開け難い)を感じるようになってきた。これは今までの右手の経験から、左手の三角筋が萎縮していることを意味する。

でもこの時点では左手の筋萎縮は三角筋のみ。上腕二頭筋、回外筋には症状は見られない。


11.再度病院で検査と治療


仲間の助言もあり、今回は早めに病院にいくことにした。

行った先は横浜市スポーツ医科学センター

2年前に「頚椎症性筋萎縮症を右手に発症した」ことを先生に伝え、左手の筋力回復のためのリハビリを行うことになった。

リハビリの内容は、

・軽い錘を左手に持ち、手を下に伸ばした状態で錘を下から横に15度位上げていく
・首、肩にテニスボール2つを引いて、グリグリ動かして患部の筋肉をほぐす
・患部の筋肉に超音波を当てて、運動を促す

等、首と広背筋に刺激を与える内容。

手を横に上げる動作で三角筋は横90度から上の外転。広背筋は下げている状態から90度までの内転に影響がある。

今まで三角筋が萎縮していると考えていたが、確かに横90度まで上げる動作もできなくなっているし、広背筋も同じ頸椎付近を神経が通っているようなので、こちらも筋肉が萎縮している可能性は高い。

6ヶ月間、週1回のリハビリ、でも目立った症状の改善は無かった。


12.テニスのフォームの抜本見直し


もう以前のテニスはできなくなっていた。テニスを続けるためには、抜本的に打ち方を変えるしかない。

フォアのトップスピンだが、トップスピンは肘を曲げ、腰を回転させ体をオープンにした反動に合わせて脇を開け、ワイパーのようにラケットを旋回させる打ち方。

この打法は三角筋、広背筋の強さが重要。三角筋、広背筋が萎縮した状況では使えない。

フォアはトップスピンを諦め、イースタングリップの軟庭打ち(フラット)に切り替えた。

軟庭打ちは肘を曲げて打つことは変わりないが、体を完全に横に向けて体の回転に合わせてラケットを前に押し出す。

殆ど、脇を開けていく動作が無く、三角筋、広背筋はその位置を維持する筋力があれば打てる打ち方である。

バックハンドは片手でのフラットとドライブ。これはどちらも体を横に向けて三角筋、広背筋で脇を開けて打つ打ち方。三角筋、広背筋の萎縮状態ではラケットを前に押し出す力が無く、殆ど打てなくなっていた。

バックハンドで三角筋、広背筋をそこまで使わない打ち方は両手バックとスライス。

大学時代はシングルスプレーヤーでもあったので、元々バックはスライスを主に使用していた。40歳以降は殆どダブルスしかしなかったので、ライジングが打ち易いフラットに打ち方を変えた経緯がある。

両手バックではなく、スライスに戻すことにした。スライスは利き腕の左手を持ち上げるのに右手を使う。そのあとは三角筋、広背筋よりも上腕二頭筋と回外筋を使ってラケット面を維持しながら、重力を使って斜め下に振り下ろす。

この打ち方ならば問題なさそうである。

テニスクラブにはタダで使えるテニスマシーンがあったので、早いボールに対して、フォアハンド、バックハンドともに対応できるように練習を繰り返した。

その結果、何とかある程度実力を維持した状態で、テニスを続けられる状況となった。


13.病院での治療を諦める


リハビリの方であるが、継続した結果、左手を横に広げて維持できる時間が30秒から45秒ほどには増えた。

でもこれがリハビリによる成果か否かは分らない。右手の時も、最悪の状況からは数か月で改善した実績があったからである。

結局半年後の診断で、「リハビリでは広背筋萎縮の改善効果は低いので、次の治療を考えた方が良い」という医師の判断があり、近くの横浜労災病院を紹介された。

横浜労災病院に行き、MRI検査や病理検査(病気(疾患)の診断や原因(病因)の究明を目的として、手術または検査の目的で身体の情報を採取する)を受けた。

病理検査では触診と筋力強度の確認、AEDのような装置を取り付けて、強弱の電気ショックを与えながら神経の信号伝達を調べていく。

結果として分かったことは「あなたは頚椎症性筋萎縮症です。筋萎縮による影響はB判定。日常生活に大きな影響を与えるものではないので、このままの状態を維持して下さい。」という内容。

右手で萎縮症を発症してから既に3年が経過しているので、「手術療法」を勧める感じではない。

ここまではネットで調べた結果通りで何も新規なことが無い。これで私は、「保存療法」で病院に頼ることには限界を感じた。それ以降、「頚椎症性筋萎縮症」で病院に行くことはなくなった。

これからは自分だけで「頚椎症性筋萎縮症」と向き合っていかなければならない。


14.テニスを続けても良いのだろか?


そうなると、最も大きな課題は「テニスを続けて良いのだろうか?」という疑問。

でもテニスは私にとって、中学校の軟式テニスから始まって、高校で硬式テニスに変更、以来計41年間続けてきたスポーツである。

大学でダブルス関東学生、関東理工科選手権ダブルス2連覇、テニスコーチのバイトで学生時代の小遣いを稼ぐ、テニス雑誌に名前が載ったことがきっかけで、㈱ニコンのテニスクラブメンバーから誘われ入社、社内シングルス7回優勝、ダブルス5回優勝、写真機工業会テニス大会5回優勝、東京実業団最高位2部の2位と、アマチュアとしては理想的な戦績も得ることができた。

「人生の選択をテニスというスポーツのお陰で乗り越えてきた」という恩義のようなものもある。簡単には止める判断がつかない。

今の実力ならば、テニスクラブのメンバーに迷惑をかけていない(ダブルスで組むのが嫌だと思われること)レベル。「この実力が持続できず、限界と感じる時まで続けよう」と考えた。

でもその時が来たら、急に趣味としてのスポーツが無くなる。私は食べることも好きで、お酒を飲むのも好きである。結構大食いなので、スポーツをしなくなった途端に太るのは明白。

「その時のために代替えとなるスポーツを始めておきたい」と考えた。

とは言っても、単なるランニングや散歩は面白くないし直ぐに飽きる。昔から球技に面白みを感じるので、頚椎症性筋萎縮症の影響が少ないスポーツは無いか考えた。


15.テニスの代替えはゴルフ


そこで考えたのが「ゴルフ」。ゴルフはニコン入社2年目にテニス部に入ってきた大学でゴルフ部だった後輩と複数メンバーで週1回練習に行った。

「ゴルフ練習場に行き飲む会」のようなものであり、飲むことが大半の目的だったが、そこでやった経験があった。

当時はテニスの打ち方で強く振ってもゴルフボールは思いっきりスライスし、まともに飛ばない。コースに出ることが目標だったので、3番ウッド、7番アイアン、アプローチ用クラブを使って、当てるだけの練習をした。

そのお陰で飛びはしないが、打ったボールは一切曲がらず、最初のラウンドは102、2回目で99と100を切った。でも、ドライバーを打たないし、アイアンも当てるだけなので爽快感が無い。「2回で100切りはすごい」と言われても、達成感も無い。

その後結婚し、テニスとゴルフの両方をやる時間は無くなったので、スポーツはテニスに専念し、ゴルフは止めた。

その妻とハワイに新婚旅行に行き、二人でコースを回った。妻がクラブを握ったのはそれが初めてだったと思う。

妻とは会社のテニス部で知り合い結婚した。数年前までは同じテニスクラブで活動していたが、妻はテニスの試合が嫌いで、徐々にテニスから離れていき、数年前から運動の場を「エアロダンス」に移していた。

でもこのままでは老後に共に楽しむ趣味が無くなってしまう。「妻もゴルフをやってみたい」という希望があり、35年ぶりにゴルフ練習場に二人で通い始めた。

ゴルフは基本両手でクラブを持って打つ。脇も殆ど開けない。

片手だと一部の筋肉が使えないことでできないものがあるが、両手ならばもう片方の手で使えない筋肉の動作を補えるかもしれない。

思った通りであった。片手でゴルフクラブを持ってスイングしても、右も左もクラブの重さのため、片手で下から真横の90度まで持っていけない。45度が限界である。

でも両手で持てば左手でクラブをテニスのスライスのように90度以上引き上げることができる(左打ちなので、軸手は右)。

片手打ちの練習はできないが、通常の両手打ちでキチンとボールをヒットできることを確認した。


16.やるならば、しっかりゴルフをやる


昔とは違い、今後ゴルフをメインのスポーツとするならば、当てるだけではダメ。キチンと色々なクラブを使いこなしたい。

今はネットでゴルフの情報が多く得られる時代。Youtube動画やゴルフのブログを見て、色々な打ち方を試した。

3か月間週4回程ゴルフ練習場でボールを打ち、コースに出た。昔と違い、全てのクラブを使ったので、OBやミスショットも多く、ボールも曲げた。でも思いっきり打つことで爽快感はあった。

ただ、筋萎縮症の影響もあり、思うように力が入らない。その時の最初のコースでのスコアは122であった。

でも相手がいないゴルフは、テニス程筋萎縮症の影響はなさそうである。練習場を横浜スポーツマン練習場に固定し、それから週3回、百球/日のペースで打ちっぱなし練習。2週間に1,2度コースに出るというルーチンができた。

2016年


17.ストレートネックを直す


テニスの方であるが、それから多少ボレーやサービスの左手を上げる動作が遅れることはあったが、頚椎症性筋萎縮症の進行は顕著には見られなかった。

テニスのイースタングリップフラット、バックスライスの打ち方に慣れ、普段のテニスには支障がなくなっていた。

でも筋力自体はやはり持続力が無く、完治には程遠い状況。

「何か手術以外で筋萎縮を劇的に改善できないか?」

ネットで調べると、頸椎の状態を悪化させる原因の一つとして「ストレートネック」というキーワードが出てきた。

自分のMRI写真を見るとあまり頸椎が湾曲していない。「ストレートネック」の可能性も否定できない。この「ストレートネック」が頸椎の病気につながっている可能性がある。

ストレートネックについてネットで調べていると、「タオル枕」という文字が目についた。

これはバスタオルを2つに折り、丸めて首の下に敷くだけの矯正法である。

ストレートネック修正のために、この「タオル枕」を実践してみた。

実際に試してみると、首に適度な痛み。でもその痛みは凝っている部分を指圧しているような痛快さがあった。

「これは行けるかも~」と考え、寝る時の枕を「タオル枕」に替え、3か月程使い続けた。

3か月後には「タオル枕」が首になじみ、「痛快さ」も感じなくなっていた。

「ストレートネック」の確認は、背中、お尻を壁に付け、普通の状態で頭が壁に付くかの確認。普通の姿勢で問題なく頭は壁に付いている。

いまのところ「筋萎縮症」の方は悪化していないが、劇的な改善は見られていない。更なる「痛快」がある状態まで「タオル枕」の高さを増した。

でもこれはまずかった。朝起きると今まで味わったことの無い痺れが両手に発生していた。

明らかにやりすぎである。「ストレートネックは無い」と判断し、「タオル枕」を止め、低めの枕に切り替えた。


18.自分に合ったゴルフのフォーム研究


ゴルフの方は、筋萎縮症で力が入らない状況を加味しながら、色々な打ち方を試していた。

テニスほど、ゴルフのフォームや打ち方が分かってなく、ひたすらネットでゴルフの情報を見て、どれが自分に合っているか実践してみることを繰り返していたのである。

その成果もあり、スコアは100台前半に落ち着き、毎回100切りを目標にできるレベルになっていた。

2017年


19.更にテニスのフォーム見直し


しかしテニスに関しては、少しずつ症状が悪化していたようで、ハイボレーやサービスで利き手を上げる動作が相当辛くなってきていた。

また自分のテニススタイルを更に変えなければならない状況となっていた。

問題はサービスでラケットを上に挙げる動作と、脇を開けるハイボレー、スマッシュ。両方とも三角筋、広背筋の瞬発力が必要である。

しかし、今の状況は、サービス側のボレーの時、リターン側からの前衛アタックに全く反応できない。脇を開けた状態での維持が難しいので、瞬時に高い位置にボレー面を作って、ラケットにボールを当てることができないのである。

仕方がないので、サービス側のボレーであるにも関わらず、サービスラインまで下がり、脇を開けないで済むローボレーのみで対処する戦略に変えた。

前衛アタックを受けてもボールが到達するまでに時間があり、ローボレーとなるので、何とかボレー面が作れた。

サービスに対しては最初から肩にラケットを担いだ状態で、下に振り下ろすだけの極端なスライスサーブをファースト、セカンドサーブで採用した。

幸いなことにサウスポーなので、回転数が極端に多いサービスは取り難かったようである。何とか試合にはなった。


20.フォーム変更による症状緩和の期待


頚椎症性筋萎縮症を発症してから既に4年が経過している。その間、右手の三角筋、広背筋、上腕二頭筋、回外筋の萎縮、左手の三角筋、広背筋萎縮と症状は改善と悪化を繰り返している。

でも今回は多少改善の糸口になる可能性もある。それはトップスピンサービスを止めた(できなくなった)ことである。

トップスピンサービスは体を後ろに大きく反らし、トスでボールを頭の後方に挙げて下から上に向けてラケット面で縦方向のスピンをボールにかけて打つ方法である。

頭はボーリングのボール程の重さがある。その頭を首で支えているのだが、スピンサーブの場合、頭は重力で下に引っ張られているのに対し、体は膝の屈伸と背中の反りを一騎に開放して上に向かう。

その結果、首の頸椎はせん断されるような力を受けることになる。

トップスピンサービスを打つテニスの選手に、頸椎の病気(首の痛み、痺れ)が多い傾向にあると聞く。

今回トップスピンサービスを封印することで、「筋萎縮に歯止めがかかるのでは?」という期待があった。

トップスピンサーブを止めたお陰か、左手の筋萎縮症の進行は止まったように感じた。

この時点で左手を横に上げた状態で維持できる時間は50秒であった。

だが寒くなると再び左右の腕の筋力低下が始まった。

テニスのショットが思うように打てない。

これではトップクラスの同年代の選手とはテニスにならないことは分かっていた。

このテニスクラブでは、比較的年配のリタイア組は昼間、夜はまだ働いている現役の同世代メンバーがナイターでテニスをする。

私はその両方に参加していたが、夜のメンバーには迷惑がかかるほど実力は落ちてしまっていたので、夜の部の参加を諦め、昼間のテニスに専念することにした。


21.ゴルフに対する病気の影響


ゴルフでも頚椎症性筋萎縮症の症状で、どのような影響があるのか、分かってきた。その時の状況で、グリップの持ち方を変える等の対処法を取っていた。

でも一番困ったのがアイアンの「シャンク」。異音とともに、スライス方向に45度以上の角度で低い弾道で飛んでいくミスショットである。

色々ネットで調べると、原因はクラブのヒールにボールが当たることらしい。急に出始めて、調べた改善方法をやってみても直らない。でも次の日には直っているのである。

このように色々な問題はあったが、ゴルフも3年目となると、コースにもアンジュレーションにも慣れてくる。ショットは良くなくても、「シャンク」が出始めない限り、慣れだけで3回に1回は90台後半が出せるようになっていた。

2018年


22.テニスクラブの退会


テニスクラブでの活動以外に、木曜日の7時から大森テニスクラブのコートを1時間借りて、テニスの練習を行い、その後、飲みに行く会を10年以上継続していた。

この会はニコンのテニス部OB数人を中心として活動していた。メンバーは私よりも10歳以上年上の人が大半だが、皆元気で、「私か60歳の還暦まで続けましょう」を目標にしてきた。

しかし、毎週のテニス+飲み会が年齢的、体力的に厳しい人も出てきており、この年(私は58歳)で終わりとなった。

私も、左手の筋萎縮症悪化により、ボールを打つのに必要な筋肉の持久力は、1時間の練習途中までしか持たなくなっていた。フォアストロークで手を横に上げて維持することができなくなってしまうのである。終わるのには良いころ合いだったと思う。

それから10年近くお世話になったエバーグリーンテニスクラブが倒産、有志数人で近くのレニックステニスガーデンに入会した。

エバーグリーンの時はダブルスの試合3試合はできたが、レニックステニスガーデンに入会後、徐々に左手筋力の低下が更に進行。

原因として考えられるのはコートサーフェス。エバーグリーンのセンターコートは砂が多めのクレーコート。

フットワークは滑って止まる方法なので、首への負担が少ない。

それに対しレニックスはオムニコートと砂の少ないクレーコート。あまり滑らないので、ストップ&ダッシュができる分、首への負荷が大きくなる。

2019年

右手の頚椎症性筋萎縮症の再発で筋力が更に低下。ゴルフでも力が入らずクラブを正確に振り下ろせなくなる。

左手も頚椎症性筋萎縮症悪化(別の筋肉萎縮?ラケットを持って横に維持できず)が更に進行。腕を上げられる時間が短くなり、テニス1試合が限界となってしまった。

ここまで症状が進行すると迷っている状況ではない。テニスの継続を諦め、テニスクラブを退会した。


23.テニスを止めると症状が改善


テニスを止めてから3か月程度で徐々に両腕の筋力が回復。ゴルフの練習を週4回に増やし、9月にはゴルフのスコア80台後半も初めて出せた。

この時点で両手を横に上げた状態で維持できる時間も50秒に戻ってきた。

しかし、10月に行った大学同期のテニス合宿2日を行った後、数日後に筋力低下が再発。

コートのサーフェスは良く止まるオムニコートとハードコートだった。再びゴルフクラブが上手く振れない状態になってしまった。

この結果から、ほぼ間違いなく過激なスタート&ストップ動作が、頚椎症性筋萎縮症を進行させると確信。意識的に過激な運動は避けるようになった。


24.自分のフォームを関節、筋肉から分析


テニスではあまり気にならなかったが、ゴルフの場合、少しでも「手に力が入らない」と感じると、急にクラブにゴルフボールが上手く当たらなくなる。

まだ本格的にゴルフの練習を始めて4年。自分の実力が足りないのが原因か、頚椎症性筋萎縮症が原因か良く分からない。

テニスの時は経験値が多く、何となく感覚で打てない原因が分かったが、ゴルフはそうは行かない。

もう少しゴルフについては、論理的に上手く行かない原因を追究する必要がある。

ここからゴルフに関する研究が始まった。

その考えに沿って、私の頚椎症性筋萎縮症に伴う現状を分析すると、

まず、第1に、自分の左右の腕を使い、力が入らない・持久力が無い「体の動かし方」を確認する。第2にその「動かし方」を行う関節と筋肉を特定する。

すると、右手(レフティなので軸手)の三角筋、広背筋、上腕二頭筋、回外筋の萎縮、左手の三角筋、広背筋の萎縮が想定できた。

次に、上記の筋に力が入らない状況は、ゴルフ場の打ちっぱなし約50球以降、ゴルフコースでのラウンド前練習でアプローチ練習を沢山行ったとき。ハーフコースの後半に顕著になる。

筋肉の萎縮により持久力が無くなっているのが原因と考えられる。

その結果として、ゴルフの打球は「当たり損ないが多くなる」、「同じ打ち方なのに初期がフックボール、後半がスライスボールになる」、「力が入らずクラブを上手く振れない感じ」、「シャンクが出る」になってしまう。

この症状になった時、軸手でクラブを持って横に上げると30度までしか重くて上げられない、「軸手の回外」方向に全く力が入らない。

萎縮している筋肉と、ゴルフで使用する関節、筋肉を照らし合わせてみると、

「バックスイング」の時、手の力不足によりクラブを上げる安定性が無くなり、「縦スイング」から「インパクト」までの「手の返し」が筋肉の萎縮で上手くできていない。

特に「軸手の回外力」が変わってしまうことで、ショットが不安定になる可能性が高いと想定できた。

最初から打てないならば、今まで別の打ち方を試しただろうが、力が入っている間は普通のショットが打てる。日々の暖かさでも、前の日筋肉を休ませるか否かでも、その状態になるタイミングが違っている。

しかし、寒くなってくると、練習を控えても、ハーフのラウンドで途中からショットが急に不安定になってしまう。スコアが安定しない。

やはりテニスの時と同様に、自分の現状に合ったゴルフのスイングに変える必要があると判断した。


25.自分にできるスイングの考案


でも手の筋肉を使わない「バックスイング」で、ボールをヒットするときのために「手の返し」に使う筋肉を温存するゴルフのフォームはあるのだろうか?

色々考えた結果、その解があった。

まずは完全に「軸足に体重を移動」する。これで「片足の回転軸」となるので、腰を60度近く回転させることができる。もう片方の足はつま先を地面に付けて、バランスをとるだけ。

「捻転」を作りつつ、背筋で背中を反らせながら、お尻を打つ方向に完全に向ける。野茂投手の「トルネード投法」のような感じ。

これを、勢いを付けて行うと、背中を反らした分、反動で両腕が肩の高さまで持ち上がる。「軸手ではない腕の肘関節の屈曲」も力を入れずに行える。

手の筋肉を使った「バックスイング」が殆ど無く、「腰の回転」と「捻転」だけでバックスイングができることになる。

あとは上がった腕が重力で落ちてくるタイミングで、「腰の回転」と「捻転」を開放しながら反った背筋を戻すことで「肩線」が回転し、ボールをヒットする力が発生する。

これならば「手の返し」用のみに「手の筋肉」が使え、「手の筋肉の持久力」を維持できる。

「視線角」は45度以上になってしまうが、これは仕方ないので受け入れた。

練習場でやってみると意外と上手くボールが当たる。ドライバーで良い時は180ヤード位飛んでいる。

飛距離は20ヤード程落ちているが、途中で腕が上がらなくなり、ゴルフにならない問題は解決できる。

アイアン、アプローチショットも全てこの打ち方に切り替えて練習した。

2020年


26.採用したフォームの欠点検証


3か月程で新しい打ち方に慣れてきた。

でも以前の打ち方と異なり、最初から飛距離が出ない。上手く行ってボギーオンである。

また、この打ち方の欠点も分かってきた。それはゴルフコースのアンジュレーション(地面の凹凸)。

この打ち方の特徴は、完全な体重移動。よって、アンジュレーションがある場所にボールが行くと、体重移動が上手くできず、急に当たり損ないのショットが増える。

以前の打ち方よりは減ったが、やはり手に力が入らなくなると、ボールを上手くヒットできない状況も続いていた。

ただ、飛ばなくなった分、OBが減ってきた。結果としてスコアの変化はあまりない。100前半が平均である。


27.首の筋力を強化


テニスを完全に止めてからほぼ1年が経過する。テニスが原因ならば、そろそろ筋力が回復する兆候があっても良いのでは?と思っていた。

何か改善の方向に向かうきっかけは無いのか?そこで考えたのが、首の筋力アップ。

テニスをやっていた時に何度かギックリ腰になり、それを予防するために腹筋、背筋を鍛えるトレーニングを毎日やっていたことがある。ギックリ腰の頻度は減った気がする。

いつもやり過ぎで筋を痛めて止めてしまうのだが、首の筋力強化はまだやっていない。

今の打ち方には「捻転」、「腰の回転」も重要なので、腹筋と背筋、股関節、膝、首の筋肉を強化し、更に各関節の可動域を広げる朝のトレーニングを開始した。

また、ゴルフコースでも少し工夫をした。右手を温めると少し力が入りやすいことを確認。ゴルフコースに出る時は肩をカイロで温めるように努めた。

その結果、アンジュレーションの少ないゴルフ場なら、90台後半も3回に1回出せるようになってきた。

2021年

朝のトレーニングで腰、膝を痛める。歳なので、簡単な腹筋、背筋と首の筋力アップだけ、夜のトレーニングに切り替え継続


28.今までに無い筋力回復を実感


暖かくなり、今まで感じられなかったような筋力の回復を、左右の腕ともに感じるようになってきた(両手とも横に広げて90秒維持)。

テニスを止めてからこのような筋肉の改善を実感したのは初めてである。

ドライバーの飛距離も「トルネード打法」で良い時は200ヤードと増えてきた。やせ細っていた腕も見た目筋肉が付いてきた感じがする。

でも飛ぶようになった分、今まで飛距離が出ずに少なかったOBが一気に増えだした。そのため、スコアも100後半~110まで悪化してきた。

こうなると、「アンジュレーション」で安定しない「トルネード打法」を継続する理由がない。本格的にキチンとした「手の返し」のあるゴルフの打ち方に戻すことを決めた。

ではどんなフォームを目標とするか?


29.筋力に見合った新しいスイングの考察


まず、「ハンドファースト」についてはメリットが多いので採用する。今までは「スクエア」に構えていたので初トライである。

今までのフォームは完全に「体重移動」で「腰を回転」させる方法。「腰の回転角」が大きく、回転速度は十分得られるし、「体重移動」でヘッドスピードも速くできるが、回転軸がブレ易い、「アンジュレーション」でのフォームが不安定になり、ショットが安定しない等の問題も多い。

その打ち方と決別しないと、古い打ち方と新しい打ち方が混在して、フォームの修正に時間がかかる。

混同しない練習をしていくために、「体重移動ゼロ」で「背骨の旋回」、即ち「捻転角」を重視した全く別の方法を採用することにした。

この方法は「体重移動」を殆ど使わないので、地面の傾きの影響を受け難い。即ち、「アンジュレーション」に強いことが予想できる。但し、「腰の回転角」が小さくなり、「体重移動」をヘッドスピードアップに使えない欠点を持つ。

この「腰の回転角」と「捻転角」の和を90度にしたいが、そこまでは無い。そこで強制的に「捻転角」を大きくし、「視線角」を30度以下とした。これらを合わせて、90度を実現する方法を採用した。

原理から考えると「デコピンバックスイング(デコピン打法)」とでも命名すれば良いと思うが、「肩関節の伸展・水平外転」及び、「捻転」の両方にデコピンのような効果をもたらす。

次に「縦スイング」の高さである。「肩甲骨の挙上」はできるが、三角筋が萎縮しているので、それ以上に腕を高く上げることができない(できるが、疲れと共に下がるので安定しない)。

よって、「前傾姿勢」の直交方向よりも少しだけ腕が上がる「縦スイング」、即ち、殆ど「肩甲骨の挙上と上方旋回、外転」のみの「バックスイング」を基本とする。

今回は「回外筋」の回復も見られるので、「手の返し」ができそうだ。そこでプロが行っている「シャロースイング」、「地面と平行な位置での手の返し」も取り入れる。これも初めての試みである。

あとは「コッキング」だが、ゴルフの安定性の観点からは、「ノーコック」の方が良い。「ノーコック」を前提にすることにした。

以上の要素を個々に関節、筋肉を意識しながら確認し、全てを組み合わせて実際に素振りで確認してみると、ヘッドスピードも十分で、しかも安定しそうなフォームであることが確認できた。

練習場でボールを打った検証の結果、回復してきた筋肉で問題なくスイングできそうである。

この方法と比べると、今までの「体重移動」と「腰の回転」、「捻転」のみによるヘッドスピードを十分に上回る感じである。プロが行っているのも納得できる。これを自分のフォームにすることを決めた。


30.関節、筋肉を意識したゴルフ独学


このように「決めたフォーム」を直ぐに細かく検証し、確認できる。また、それぞれ相性の良い技術を組み合わせてフォームを作ることが可能となる。

これも関節、筋肉に着目し、ゴルフのフォームを細かく分類、原理を理解し、曖昧さを無くして、その個々の効果を自分で解析・検証できるようになったおかげである。

中途半端にネットでゴルフの打ち方の情報を得て、理由も判らず試して良い時、悪い時で一喜一憂していた時とは練習でも充実感が異なる。習得時間も相当短い。

自分で使う筋肉、関節を理解し、思った通りに使えているかを確認しながら素振り、打ちっぱなしで個々の検証を行うので、チェック項目も明確で、修正するとその通りにボールの軌道を修正できる。

「スライス」や「フック」がどのタイミングで発生しやすいか、「シャンク」の原因が何か、個々の検証で確認済なので、問題点を特定して同様に修正できる。

この「素振りでの確認」、「打ちっぱなし」による検証が楽しいことに感じられた。

以下が新しいフォームにする前と後のコースでのスコアである。筋肉の持久力が完全ではないので、後半スコアが乱れることは多いが・・・

ショットは徐々に「デコピン打法」で安定してきており、ドライバーの飛距離も以前と比べても20~30ヤード伸びた。

また、この方法は力の入れ方でどんどんヘッドスピードが速くできる。しかし、それにより安定性は下がる。でも遠くに飛ばしたい・・・誘惑とスコアアップのうれしい板挟みがある。

2021/11/29 大多喜城ゴルフ倶楽部 98(48,50) OB1
2021/11/26 大多喜カントリー   94(51,43) OB5
2021/11/18 PGM南市原ゴルフ  95(46,49) OB2
2021/11/12 三島カントリークラブ 95(46,49) OB2
2021/11/8 花生カントリークラブ  99(51,48) OB4
2021/11/1 花生カントリークラブ  91(44,47)、OB3
2021/10/26 花生カントリークラブ 102 (54,48)、OB7
2021/10/19 新君津ベルグリーン  87(43,44)、OB3
2021/10/18 マクレガーカントリー 97(50,47)、OB5
2021/10/12 コスモクラッシック  102 (55,47)、OB6
2021/10/7 房総カントリー房総東  98(54,44)、OB2
2021/9/27 大多喜カントリー    95(50,45)、OB3
2021/9/21 ザナショナルカントリー 95(42,53)、OB1
2021/9/14 上総富士ゴルフ     100 (48,52)、OB6
2021/9/10 千葉夷隅ゴルフ     96(44,52)、OB3
飛距離を伸ばすコッキング開始。OB増加。フォーム修正中
2021/8/31 ジャパンPGA     93(48,45)
2021/8/27 PGM南市原ゴルフ   96(48,48)
2021/8/17 勝浦東急ゴルフコース  89(45,44)
2021/8/12 米原ゴルフクラブ    91(47,44)
2021/8/4  東京湾カントリークラブ 86(39,47)
2021/7/26 房総カントリー房総大上 89(43,46)
2021/7/20 かずさカントリークラブ 94(46,48)
2021/7/13 花生カントリークラブ  93(44,49)
2021/7/9  ABCいすみゴルフ   86(39,47)
2021/7/8  木更津東カントリー   93(49,44)
上記は自分にとっては全てそのゴルフコースでのベストスコア
2021/6/29 花生カントリークラブ  100 (45,55)
2021/6/22 木更津東カントリー   97(45,52)
2021/6/18 万木城カントリー    102 (52,50)
2021/6/8  鴨川カントリークラブ  90(46,44)
2021/5/28 鴨川カントリークラブ  94(47,47)
トルネード打法からデコピン打法に変更
2021/5/24 大多喜城ゴルフ倶楽部  104(46,58)
2021/5/18 鶴舞カントリー倶楽部  107(52,55)
2021/5/14 三島カントリークラブ   94(47,47)
2021/4/27 PGM南市原ゴルフ   104(54,50)
2021/4/26 マクレガーカントリー  111(50,61)
2021/4/23 花生カントリークラブ  104(52,52)
2021/4/15 長南パブリックコース  109(54,55)
2021/4/7 鴨川カントリークラブ   104(53,51)

今回急にスコアが上がったのは、ショットが正確になりパーオン・ボギーオン率が上がって、安定してボギーが狙えるようになったからである。

この打法はヘッドスピードを速くしようと思えばどんどん速くできる。ドライバーで230ヤード安定して飛ばせれば、パーオン率が上がる。でもその分OBは増える。飛距離を増やして安定させる方法を今は思考中である。

本当はもっと練習をしたいが、やり過ぎると疲労が溜まり、ショットが安定しない。飛距離を出したいが、疲労の溜まり具合を見誤ると右に左に曲がってOB。ジレンマである。

フォームを大幅に変えてから日が浅く、毎回スイングでチェック項目を考えながら打たないと、以前の打ち方に戻ってしまうこともある。

これ以上のスコアにするには、考えなくても自然にスイングできるフォームの安定性、更なるラフやバンカーショットに対するキャリア、短いアプローチ練習、後半に筋肉の疲労を引きずらない工夫が必要になるのだと思う。

頚椎症性筋萎縮症の症状がもっと改善してくれるのが理想だが・・・

両手とも横に広げて90秒維持の状況はなかなかそれ以上に改善しない・・・


31.ゴルフと共に


まあ、ドライバーで思いっきりボールを飛ばすのはゴルフの醍醐味。飛ばせる時に飛ばさないと、いつ病状が悪化するか分からない。OBでスコアが多少悪くなっても、プロになる訳ではないので、刻むようなことはしない。この爽快感は止められない!!!

あと、左用のクラブなので、中古を6年前に買ってから壊れたドライバーの買い替えと3番ウッドの追加しか行っていない。シャフトもRとSが混在している。「クラブ、シャフトを変えるとスコアが伸びる」という話も聞くので、これは今後の楽しみで取っておこう。

これから秋、冬と寒くなるので、筋萎縮症の進行も心配されるが、進行したらまたトルネード打法に戻すことになるだろう。また新たな打ち方に変えるかもしれない。

もう少し歳を取ると、腰を悪くして「捻転」が使えなくなるかもしれない。でももう独学でゴルフのフォームを改良、修正するノウハウを得たので、その都度、自分の筋肉と相談して、最適のフォームを考えれば良いだけである。それもまた面白い。

このような考察を行うことになったのは、「頚椎症性筋萎縮症」という病気になったお陰かもしれない。発症していなかったら、テニスがあるのでゴルフの研究をここまで真剣にやっていなかったかもしれない。不幸中の幸いだったと思おう。

まだ60歳。目標はエイジシュート。「頚椎症性筋萎縮症」という持病と闘いながらのゴルフ人生はまだ始まったばかりである。


32.両腕が全く上がらない。病状の悪化?


2022年の冬、それは当然起こった。

伊勢原のショートコースに出かける時、「服を着難いな~」と朝感じるが、そのまま回り放題でコースを回った。車に乗って帰宅の時、「両手が上がらない・・・ゴルフのやり過ぎかな」と体の異変を感じた。

次の日、普段ならば疲れて動きにくくなった手もある程度は回復しているのだが、今回は全く右手に力が入らなかった。

「これはまずい。頚椎症性筋萎縮症の悪化?」と思い、その日は安静にしていた。

しかし、次の日、左手も力が入らなくなっていた。それだけではなく、両手、背中が痺れ始め、「頚椎症性筋萎縮症」と「頚椎症性神経根症」の併発を予感させる状況となってきた。

更に、握力も無くなり、便秘、尿が出ない、排尿痛も併発し、夜痛くて眠れない・・・「もう死ぬのでは?」と思う程、症状が悪化。

服を着ることも脱ぐこともできず、息子に手伝ってもらった。それが1週間続いた。これはもう介護が必要な状況である。

あまりにも症状が酷いので、「頚椎症以外の病気では?」と疑い、病院に行く決心をした時、

「トイレに行きたいのに尿がでないのはおかしくない?」と言われ、ネットで調べると、上記症状になる可能性があるのが、「脱水症状」の死ぬ一歩手前。

慌てて水分を大量摂取したところ、両手に何かが流れるような感覚。次の日には両手、背中の痺れ、握力低下、便秘、尿が出ない、排尿痛は何とか回復し、生還できた気持ち・・・

「脱水症状」は「喉が渇く」ことで察知できると思っていたのだが、老化でそれを飛び越えて重症化してしまったようだ。脱水症状を見くびっていた。

更に「排尿痛」が「膀胱に尿が溜まっている」感覚に近く、しかし尿は出ない。これ以上水を飲んだら「膀胱炎になってしまうのでは?」という素人考えから、水の補給を控えていた。それも悪化の原因になったのだろう。

でも、この症状があった3週間、神経の情報発信に水は不可欠だったようで、頚椎症性筋萎縮症の症状が進行し、両手に力が入り難くなってしまった。両手を横に上げて保持できる時間は15秒と昔に戻った感じである。

ゴルフの方は、昨年秋からフルスイングで飛距離を出すゴルフを目指していたが、病状の良し悪しで結果にばらつきが多く、OB量産でスコアが安定していなかった。

ホームの練習場としていた「横浜スポーツマンゴルフ練習場」が一ヶ月間改修工事で使えなくなるので、これを機に打ちっ放しの週4日100球練習から、週1でシーサイド木更津のショートコース回り放題に行き、グリーン周りの正確さを強化する練習方法に変えることにしていた。

練習場の改修後、打ちっ放しの値段が大きく値上がりしたので、かかる費用はショートコースの方が安い。

その矢先の筋力の低下である。ただ、ショートコースなので、フルスイングは必要なく、バックスイングで腕が上がらなくてもアプローチは問題ない。

また、ゴルフの研究で、低い高さからのシャロースイングのみでボールがある程度飛ぶことは判っている。

但し、振り下ろしが速いと手の回内・回外力が弱いのでボールが全てスライスになってしまう。振り下ろし速度を遅くして、回内・回外力に見合うスイング速度でボールが真っすぐに飛ぶようにショートコースで修正した。

あとは力が必要ないアプローチ力をつけることに専念した。

その結果が以下の通りである。

2022/05/10 千葉国際カントリー  92(44,48)    OB0
2022/05/06 木更津東カントリー  94(47,47)    OB1
2022/04/29 一ノ宮カントリー  142(46,49,47) OB1
2022/04/26 花生カントリー    98(50,48)    OB1
2022/04/18 一ノ宮カントリー  140(46,49,45) OB3
2022/04/12 木更津東カントリー  86(41,45)    OB1
2022/04/07 ギャッツビーゴルフ 103(50,53)    OB1
2022/03/29 千葉セントラル    98(49,49)    OB1
2022/03/28 富士市原ゴルフ   100(50,50)    OB1
2022/03/14 ギャッツビーゴルフ 101(53,48)    OB5
2022/03/10 ゴールド木更津   105(59,46)    OB5
2022/03/01 一ノ宮カントリー  154(55,49,50) OB1
2022/02/22 ラ・ヴィスタゴルフ 108(62,46)    OB4

上記のように、最初はボールがスライスしOBになることが多かったが、ドライバーが飛ばない分OBが少なくなり、後半はショートコースで鍛えたアプローチ力で補うことで、以前に近い結果が出てきた。

この2ヵ月で手を横に上げて維持できる時間は45秒程に回復してきている。以前は腕の力の持久力が無く、ゴルフ中にスイングで調整する必要があった。

しかし今回は力が入らないのは共通だが、持久力は伸びており、それがトルネード打法に戻す必要がなく、短期間に現状のフォームのままで力を入れないフォームに修正できた理由と考えている。

これ以降の症状とゴルフの結果は、以下のURLで追記している。興味がある方はクリックして下さい。

頚椎症性筋萎縮症で腕が上がらなくてもゴルフを楽しむ日記


33.独自のリハビリ法考案。2ヵ月で驚きの回復。誰にでもできるその方法を紹介


2022年冬になってもその症状は変わらず安定した状態が続いていた。寒い日、肩を冷やして力を入れにくい状況はあったが、日常生活に大きな支障はなかった。

ただ、週1でシーサイド木更津のショートコース回り放題はアプローチには良いが、まだ定着していないフォームが少しずつ崩れた時にスイング練習ができない。

特に冬は肩に力が入り難い状態もあり、週1回の練習ではやはり物足りなくなっていた。

そこで2023年からナセグリーンゴルフをホーム練習場として週2,3回の打ちっ放し練習に変更。平日は11円/球と安く、更に2万円で20%の追加ポイントがもらえる。

左利き専用の場所も常時キープされており、距離も200ヤードと十分にある。お昼時の空いた時間に行けば、ほぼ待たずに練習を始められるのも良い。

ところが、少しずつ暖かくなり、6月に入った頃に右腕に少しずつ異変が出てきた。通常、暖かくなると肩の冷えも無くなり、少し改善するはずだがその逆。

最も日常生活に支障が出てきたのが食事。私は左利きだが、箸を持つ手や字を書くのは子供のころに強制されて右手で行う。

その食事で箸を口に持っていく作業ができない、肘を付いても上手く動かない・・・お風呂で体を洗う、両手で物を運ぶ、全ての動作が辛い・・・

認めたくなかったが、明らかに右手の頚椎症性筋萎縮症の病状が悪化している。

今、病状の進行に影響を与えそうなスポーツはゴルフだけである。でも、テニスを諦め、折角始めたゴルフも諦めたくない・・・

家族もその状況に気付き始め、病院に行くことや、身体障害者の手続きを進めてくる・・・それ程状況は悪化している。

10年前に頚椎症性筋萎縮症を発症し、医師と共に行った治療やリハビリが3年間。病院での治療を諦め、独自に行ってきたリハビリが7年間、何かやり残していることは無いか?

私の得意とすることは発案。でもこの7年それをやってきたのだろうか?・・・やっていない。やったのはホームページで調べて可能性のあるリハビリを真似ただけ。

そこでもう一度、自分の右腕の状況を調べ直し、何をすべきか、他の情報を鵜呑みにせず、自分自身で考えてみることにした。

自分でやってみて驚いたことは右手の症状。右肘を完全に伸ばして地面に付け、右肘を曲げようとしても全く曲げられない。力が入らない。

少しでも肘を曲げておけば曲げられるのだが、曲げた後に右腕を外に捻る回外動作が全くできない。

右肘を曲げた状態では、回外筋、上腕二頭筋、腕橈骨筋が使われるがそれが上手く動いていないようだ。

ゴルフでも回外を行うのだが、右肘を伸ばした状態で行う。ダウンスイング時は右肩甲骨を使った回外。肘が伸びた手の返しでは回外筋、腕橈骨筋がメインで上腕二頭筋はそれ程使われない。

回外筋、腕橈骨筋を触ってみると、それなりに筋肉が付いているし、力を入れると固くなる。ところが上腕二頭筋に力を入れても全く力が入らず、筋肉も柔らかいまま。

考えられることは、右腕が上手く動かないのは上腕二頭筋に力が入らないのが原因。では何故力が入らないのだろう?

医師の診断で聞いたことは、頸椎の神経損傷で一部の「筋肉よ、動け」という指令が弱くなり、「筋肉を使ったから筋肉を作れ」という指令も弱くなるので筋肉が萎縮してしまうという説明。

ネット上の文献でも殆ど同じ内容。それに沿って薬物治療・運動治療・電気治療を全て行ったが、自然治癒以外の目立だった改善は私には無かった。だから病院での治療を諦めた。

でももしそれが事実ならば、自分の右手上腕二頭筋は相当委縮しているはず。でも実際には力こぶである上腕二頭筋の太さは3cm程はある。

これはかよわい女性の力こぶよりは太いはず。3cm厚の筋肉があるのに、全く曲げられないほど萎縮しているとは思えない。ただ力が入らないだけ。

ネットや医師の説明を信じず、検証結果だけから考えると、「筋肉よ、動け」、「筋肉を使ったから筋肉を作れ」という指令が弱くなるのが原因ではないと考えられる。

原因は「その筋肉に力を入れよ」という指令が弱くなっている可能性。そうすると筋肉を伸縮させる運動や、頸椎を介さない電気療法による筋肉の伸縮は意味が無い。

もしそのリハビリを行うとしたら、「その筋肉に力を入れろ」という弱くなった指令を脳から頸椎を通して送り続け、その信号を送っている神経自体を改善させるリハビリを行う事。

そこで6月から独自のリハビリを始めた。リハビリの内容は簡単。脳から「筋肉に力を入れろ」という指令を与え続けること。

ポイントは筋肉を伸縮させる、即ち、腕の関節を使って腕を曲げたり伸ばしたりして動かす必要が無い事。

私がリハビリを行ったのは犬との散歩。20分程度、犬と散歩をするのだが、左右の足の動きに合わせて両手の全ての筋肉に力を入れるだけ。

腕の筋肉を伸縮させるのが厳しいのが頚椎症性筋萎縮症。筋肉を積極的に伸縮させなくても、「力を入れろ」という指令だけならば出し続けることができる。

1.5秒で2歩。20分だと1600回の指令を両腕に出すことになる。

始めて一ヶ月、左腕には力が入るが、右腕の上腕二頭筋には殆ど力が入らない(硬くならない)。右腕は前後に振ることも厳しく、兎に角、信号を送り続けるだけ。

7月に入ると、右腕に少し力が入る(少し硬くなる)ようになり前後に振れる余裕が出てきた。散歩が終わった後は、右腕に疲労感と運動した後の汗がしっかり出て来るようになったきた。

そこで7月から新たなリハビリを追加。寝る前に布団の中で100秒の足・首上げ、ブリッジを行うのだが、その間、両腕に10秒間力を入れる指令を出し続け、1秒インターバルを繰り返すという内容。

もともと腹筋と背筋の維持で行っていたのだが、結構苦しい。ところが両腕に力を入れる作業に気を取られ、腹筋と背筋の苦しさを感じない。これは好都合。

そして8月中旬になると、去年の調子が良かった時期に迫る、右腕上げ40秒、右肘曲げ50秒に回復。食事も肘を付かずに箸を口まで持って来られるまで改善した。

これは私一人の検証結果であり、誰にも有効とは限らない。また、これ以上の改善が見込まれるのかも不明である。

特に、右肩を上げる動作に支障が出てから10年、左肩は8年間の月日が流れている。もしこのリハビリが有効でも、そう簡単に昔の様には戻らないだろう。

でも、今まで行ってきたリハビリの中で、短時間ではっきりと改善効果が見られたのは今回が初めてである。

今のリハビリをやらなかったら、改善も実感できていないはず。そこで9月からは、肩を上げた状態・肘を曲げた状態で力を入れるリハビリも追加した。

今までは肩が下がる、肘が伸びてしまうので、長時間その状態を維持できなかったが、その状態維持をサポートできる位置に腕を置き、力を長時間入れ続ける方法ならば可能となる。

10年越しの症状が改善するか否かは今は分からない。今後これらのリハビリを継続し、その経過を報告していきたい。


今から思うと、発症当時に手術療法を選択していれば、ここまで長くかからず、リハビリで症状が改善していたかもしれない。

でも、その場合はテニスを続けており、ゴルフとここまで真剣に向き合わなかっただろう。

人生の選択肢に対して、後で後悔しても自分が惨めになるだけでなにも変わらない。その選択で良かったことも多い。後を振り返らずに先を見よう。

何事も山あり谷ありである。だから人生は面白い。

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